6月1日、京セラドーム大阪で行われたオリックス対北海道日本ハムの第10回戦は、両チームともに総力を尽くしたが、延長戦の末に8対8の引き分けに終わった。
先に試合を動かしたのは北海道日本ハムだった。初回、オリックスの先発・成瀬善久投手から、大田泰示選手、近藤健介選手の連打などで無死満塁とすると、4番・中田翔選手のダブルプレーの間に1点を先制する。
しかし、オリックス打線も黙ってはいない。2回裏、北海道日本ハムの先発で今日がプロ初登板となった生田目翼投手を攻め立てる。先頭のロメロ選手の四球、続く小島脩平選手の二塁打などで2死2,3塁とすると、9番・山足達也選手のタイムリーで逆転に成功。
さらに1番・小田裕也選手の2ランホームランでスコアを4対1とし、一気に北海道日本ハムを突き放す。小田選手は「少しタイミングを外されていましたが、芯で捉えることができました。スタンドまで届いてくれて良かったです」と、球団を通してコメントした。4回裏には8番・若月健矢選手がしっかりスクイズを決め、1点を追加する。
頼もしい援護を受けた成瀬投手だったが、直後の5回表、北海道日本ハム打線が捉えた。9番・中島卓也選手、2番・大田選手のヒットで1死1,3塁とすると、最近5試合の打率が5割を超える3番・近藤選手のタイムリーで2点差に詰め寄る。さらに、2死3塁の場面で5番・王柏融選手が同点アーチを描き、試合は5対5と振り出しに戻った。
しかし6回裏、オリックスが7番・大城滉二選手のゴロに間に勝ち越しに成功する。さらに8回裏、3番・吉田正尚選手の豪快なホームラン、若月選手のタイムリーで2点を追加し、オリックスリードの8対5で、試合は最終回へ。
このままオリックスが勝利を収めるかと思われた最終9回表だったが、オリックスの守護神・増井浩俊投手が崩れた。2番・大田選手からまさかの3ランを浴び、試合は8対8とここにきて振り出しに戻る。
試合は延長戦に突入し、北海道日本ハムは石川直也投手が、オリックスは小林慶祐投手がそれぞれ2イニングをノーヒットピッチング。そして12回裏、オリックスは北海道日本ハムの守護神・秋吉亮投手を相手に2死1,2塁の好機を得るが、あと1本が出ず。試合は8対8のまま引き分けで終了した。
オリックスの先発を務めた成瀬投手は「2回以降は自分らしいピッチングができていたと思います。しかし、5回ですね。ホームランのボールは失投です。リードを保ってリリーフ陣につなぐことができず、申し訳ないです」と振り返った。自身2016年以降、遠ざかっている白星はまた次回登板にお預けとなった。打線は8得点を挙げたものの、1本欲しい場面での勝負弱さが出てしまった。
一方、北海道日本ハムの先発を務めたドラ3ルーキーの生田目投手は、降板後に「プロのマウンドは雰囲気が違いましたし、自分の思ったとおりのピッチングができませんでした。打者有利のカウントにしてしまい、狙い打ちされてしまったことが反省点です」と反省を述べた。試合はドローで終了したが、3点ビハインド迎えた最終回に脅威の追い上げを見せたこの勢いは、間違いなく明日以降の戦いに良い影響を与えるだろう。
文・後藤万結子
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