まさに勝負師。田中賢介選手の逆転弾で北海道日本ハムがカード勝ち越し

パ・リーグ インサイト

2019.5.29(水) 21:28

北海道日本ハムファイターズ・田中賢介選手(C)パーソル パ・リーグTV
北海道日本ハムファイターズ・田中賢介選手(C)パーソル パ・リーグTV

 5月29日、札幌ドームで行われた北海道日本ハムと千葉ロッテのカード第2戦は、終盤に逆転劇を呼び込んだ北海道日本ハムが、6対4で勝利。激しいシーソーゲームを制し、カード勝ち越しを決めた。

 まず攻勢を仕掛けたのは千葉ロッテだ。1回表1死から、今日は左翼手としてスタメン入りした鈴木大地選手が、北海道日本ハム先発・吉田侑樹投手の高めに浮いた直球を振り抜く。「岩下のときにあまり打てていなかったので」と語るチームリーダーの5号ソロで、昨日と同じく本塁打で1点を先制した。

 初回から得点が生まれる展開となったが、以降は一転して投手戦に。千葉ロッテの先発・岩下大輝投手は、140キロ台中盤の力強い直球とフォークを組み合わせ、3回まで北海道日本ハム打線を2安打に抑える。対する吉田侑投手も追加点を許さず、試合は千葉ロッテの1点リードのまま、中盤に突入した。
 
 5回裏、千葉ロッテは平沢大河選手の悪送球などのミスで同点に追い付かれるが、7回表、9番・吉田裕太選手が北海道日本ハム3番手・堀瑞輝投手から2号2ラン。終盤に入ったところで、リードを2点とする。

 しかし、このままでは終われない北海道日本ハムが7回裏から目覚めた。まずはここまで3打席連続安打中の3番・近藤健介選手が、千葉ロッテ2番手・西野勇士投手の直球を二遊間へはじき返す。本日4本目の安打が、試合を振り出しに戻す2点適時打となった。

 8回表、中村選手の適時二塁打で千葉ロッテが1点を勝ち越すが、北海道日本ハムが劇的に試合を決めた。8回裏、千葉ロッテの3番手・酒居知史投手に対し、代打・田中賢介選手が、右翼スタンドに飛び込む1号2ラン。ベテランの今季初アーチは、試合をひっくり返す値千金の一発となった。これで勢いがついた打線はさらに2死満塁のチャンスを作ると、押し出し四球で1点を加え、リードを2点に広げた。
 
 9回表は守護神・秋吉亮投手がマウンドへ上がり、3人で締めて試合終了。終盤に激しい点の取り合いとなった試合は、北海道日本ハムが6対4で勝利した。

 北海道日本ハムは、先制を許し、同点に追い付いた次の回に勝ち越しを許す苦しい展開にもかかわらず、最後まで諦めない姿勢で逆転劇を呼んだ。最高の形でカード勝ち越しを決めたと言えるだろう。一方の千葉ロッテは、投手陣がリードを守れなかった。

文・吉田貴

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