山岡泰輔（やまおか・たいすけ）／投手

#19／1995年9月22日生まれ
172cm・68kg／右投左打

　広島・瀬戸内高校から東京ガスを経て、2016年のドラフトで1位入団。172cmとプロの投手としては小柄な身体ながら、152km/h超えのストレート、縦に大きく曲がるスライダー、ブレーキの利いたチェンジアップを武器に力投する本格派右腕だ。

　瀬戸内高校時代の2013年夏の広島大会決勝、田口麗斗投手（東京ヤクルト）と投げ合った2試合に及ぶ激闘によって高校野球ファンから大いに注目を集めた山岡投手は、東京ガスでも社会人チームを相手に自らの実力を証明。鳴り物入りでプロの門を叩いてからもその活躍は続き、1年目から8勝11敗、防御率3.74と、即戦力の名に恥じない活躍を見せていた。

　しかし、さらなる飛躍が期待された2年目の2018年は交流戦を境に打ち込まれる試合が増え、8月上旬には中継ぎへの配置転換も経験。それでも、8月15日から再び先発に戻ると、9月には完封を達成するなど復調を見せた。

　2019年は開幕投手を任され、勝敗はつかなかったものの8回3失点の好投。そこから1年間先発ローテーションを守り続け、26試合で13勝4敗、防御率3.71、勝率.765で「最高勝率」のタイトルを獲得。キャリアハイを更新する好成績でシーズンを終えた。2020年はシーズン序盤にケガで離脱するも、8月末に一軍に合流してからは好投を見せ、規定未達ながら防御率2点台の成績を残した。

　2021年も開幕から先発ローテーション入りを果たしたが、6月22日の北海道日本ハム戦で右肘の違和感を訴え、9月半ばに右肘のクリーニング手術を受けた。その後は日本シリーズで一軍に合流すると、第5戦で8回裏の途中からリリーフとして登板。0.2回を無失点に抑えると、9回表に代打・ジョーンズ選手が勝ち越し弾を放ち、勝利投手となった。

　直近の2年間は故障による離脱を余儀なくされ、悔しいシーズンが続いている山岡投手。右肘の不安も消えて迎える今季は、開幕から先発ローテーションとして、連覇を狙うチームに貢献したい。

【2021年一軍成績】
12試合3勝4敗 69.1回 74奪三振、防御率3.89 WHIP1.21

（2022/2/14 追記）

文・望月遼太

山岡投手をもっとよく知るために。パ・リーグ インサイトの過去の記事

・山岡泰輔vs田口麗斗が実現するも決着つかず。試合は延長12回に伏見寅威の一打でオリックスがサヨナラ勝ち
2018年の交流戦で、ついに山岡投手と田口投手の“再戦”が実現。山岡投手は6回1失点、田口投手は5回1/3を1失点という成績で、ともに勝敗はつかず。試合はオリックスがサヨナラ勝ちを収めたが、両雄のプロでの初対戦は“引き分け”に終わっている。

・オリックス山岡7回途中1失点の好投で5勝目　中継ぎを経験し「引き出しが増えた」
昨季は中継ぎ登板した7試合で4ホールド、失点はわずかに1と安定感抜群の投球を見せていたが、山岡投手本人にとってもこの配置転換によって得られたものは確かに存在したようだ。

・オリックス・西村監督が6回1失点の山岡に大激怒！　「開幕投手を剥奪するかもしれない」
西村新監督の逆鱗に触れてしまった山岡投手だが、その後に指揮官と直接話し合い、開幕投手に「再指名」。若き右腕にとっては苦い経験だったが、自身初の大役に向けて、気持ちを引き締めなおす機会ともなったかもしれない。

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