ロッテ・坂本光士郎は昨季8試合の登板にとどまり悔しいシーズンに終わったが、今季はここまでビハインドゲームを中心に14試合に登板して、防御率2.87の成績を残す。
今季の坂本はとにかくストレートが良い。2回を無失点に抑えた5月24日の楽天戦、1-8の3回一死一、二塁で平良竜哉を3ボール2ストライクから見逃し三振に仕留めた6球目のインコース146キロストレート、6月10日の中日戦、1-11の7回先頭の石伊雄太を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた外角148キロストレート、1-11の7回二死走者なしで岡林勇希を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた外角149キロストレートは素晴らしかった。
6月7日の巨人戦では、1-2の8回一死二塁で坂本勇人に対し、6球目まで全てストレート。3ボール2ストライクから投じた7球目、相手打者がストレートを意識している中で、意表をつく外角131キロスライダーで見逃し三振に仕留めた。「なるべくまっすぐでカウントを整えていって、最後ここでスライダーだろうなというところで、(佐藤)都志也ともサインがあったので、迷いなくいけたなという感じがしています」
6月5日の巨人戦では左打者のインコースにカットボール、スライダーを積極的に投げていたが意図的に投げていたのだろうかーー。
「左バッターにめがけていくのは今始めたわけではないですけど、ずっとそういうイメージで投げています。それが内にしっかり決まっているかなと思います」
以前は左打者のインコースにシュートを投げていたが、シュートよりもスライダーの状態が良いから左打者のインコースにスライダーを投げているのだろうかーー。
「そうですね、外だけじゃ、限界がありますし、まっすぐもインコースに投げられるようにと思っています。変化球でインコースをいくだけで、バッターからすると違うと思うので、そこは意図的にも投げています」
6月10日の中日戦、1-11の6回一死三塁で細川成也を1ボール2ストライクから4球目のインコース140キロカットボールで空振り三振、6月23日の日本ハム戦、0-4の8回二死一塁で進藤勇也を2ボール2ストライクから外角の128キロスライダーで見逃し三振に仕留めるなど、“右打者”にもスライダー、カットボールの威力を発揮している。
「真っ直ぐ以外だと主となる球はスライダーとカットになると思うので、それでしっかり空振りだったり、見逃しが取れているのはすごく自分の中でいいかなと思います」
現在9試合連続で奪三振をマークするなど、今季は奪三振率が10.91と非常に高い。ストレートと軸になるスライダー、カットボールが良いことが関係しているのだろうかーー。
「第一はまっすぐの質的には良いと思うので、投げていてもファウル取れたりしているので、変化球で空振り取れていたり、真っ直ぐでも三振が取れている。真っ直ぐが一番良くなっているところがあると思います」
ストレートを含めて、良い球を投げ続けている中で、失点しまう登板があるのが非常にもったいない印象だ。「点を取られる試合もありますけど、それが甘く入ったりする。そこをファウルを取れたりしたいなと思うんですけど、球自体は全然去年とか一昨年に比べて良いのかなと思います」
51試合に登板して16ホールド、防御率3.21とブレイクした2023年よりも、投げているボールの数値は良いのだろうかーー。
「23年と同じくらいなんですけど、真っ直ぐの数値はすごく良くなっています。スライダーがちょっと数値的に落ちているのはありますけど、それでもまだ戦えているところがあるので、そこが良くなるともっと三振だったり、いい場面で投げられたりするのかなと思います」
現在は7回・中森俊介、8回・鈴木昭汰、9回・横山陸人の“勝ちパターン”で逃げ切ることは多いが、“安定感”が出てくれば、坂本も勝ち試合で投げるだけの力を持っている。「まずは与えられたポジションで抑えることが一番だと思うので、最終的には勝ちパターンであったり、勝っている試合で坂本と呼ばれるようにやっていきたいと思います」。ここからチームが浮上していくためにも、勝ち試合で投げるだけの力のあるリリーフが何枚もいれば、それだけ厚みが出てくる。坂本がその役割を担うことができるか、注目だ。
取材・文=岩下雄太