【西武】北海学園大硬式野球部アナリスト加藤拓光が“入団”…バイオメカニクス部門で採用、プロで後輩と再会を

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2023.11.4(土) 04:05

工藤泰己投手(右)にアドバイスを送る加藤拓光アナリスト

 北海学園大硬式野球部のアナリストを務める加藤拓光(23)が、来季からプロ野球の西武に“入団”することが決まった。病気で学校に通えなかった高校時代の苦しい経験を乗り越え、夢を実現した加藤は「プロだけでなくアンダーカテゴリーでも、日本代表に関わりたい」と次の目標に向かって一歩一歩階段を上っていく。

 加藤は満面の笑みを浮かべながら喜びを口にした。頭痛などが続き、1年冬から約半年間「全く登校できなかった」高校時代。「起立性調節障害」と診断され、満足にプレーをできないまま終えた高校野球を振り返りながら「(大学野球部での2年間は)取り戻した青春でした。間違いなく人生が変わった。ここに来て良かったです」と感慨深げに語った。

 同大入学後は、将来の夢だった指導者になるために3年間少年野球チームを指導していたが、4年時に転機が訪れた。硬式野球部がデータ分析を行うアナリストの募集を開始。その情報を知り、島崎圭介監督(52)に電話をした。「一発目で『ぜひお願いします』と言われましたね」。独学で知識を習得しながら、同部初のアナリストとして選手個々のパフォーマンスアップにも携わり、今秋は14年ぶりの秋季リーグ戦優勝に貢献。西武の採用試験では当初、別部門を志望していたが、これまでの活動が認められてアナリストのバイオメカニクス部門で採用された。

 全体練習がないオフシーズンも部員から引っ張りだこで、各練習会場を走り回った。年齢が最大5歳差離れている選手からは“兄貴分”として慕われ、155キロまで球速がアップした工藤泰己投手(2年=北海)は「家族よりも仲が良い存在。加藤さんがいなかったらここまでこれなかった」と感謝を惜しまない。

 年明けまでには北海道を離れ、来年2月の春季キャンプから本格始動する。「相手もプロで人生が懸かっていて、責任はすごく大きくなる。(後輩と)必ずプロの世界で会おうと約束しているので、また出会えたらいいな」。“教え子”との再会を心待ちにしながら、プロアナリストの第一歩を踏み出す。(島山 知房)

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