【オリックス】山本由伸「日本一が全員の目標。そこに向かって投げるのみ」18日CS最終S第1戦先発…独占コラム「球道夢想」

スポーツ報知

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2023.10.18(水) 05:00

練習を終え、大の字になって寝転ぶ山本(カメラ・岩田 大補)

 「2023 パーソル クライマックスシリーズ パ」の最終ステージ(S)が18日に京セラDで開幕する。史上初の3年連続で「投手4冠」を達成したオリックス・山本由伸投手(25)は第1戦の先発を前にスポーツ報知の独占コラム「球道夢想」でファンへの感謝と2年連続日本一を誓った。

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 開幕前のコラムでお約束した通り、僕たちしかできない3連覇を成し遂げることができました。3月のWBCから始まり、ここまでを振り返ればあっという間でした。僕自身が決めていたのは、とにかく一球一球を大切にし、ずっと集中し続けること。野球から完全に離れるのは、チームが日本一になってからです。

 レギュラーシーズンは本当に、自分に与えられた一試合一試合の積み重ね。個人タイトルについても、他の投手の記録を見ることはありませんでした。1位になれるかな…と感覚が出てきたのは終盤。それまで少なかった奪三振の数が増えてきた【注】時期です。

 三振数を気にするより、原因に目を向けました。まずフォークが落ちていなかったし、真っすぐもファウルにならず、前に飛ぶことが多かった。そこを追求し、改善しました。これだったら空振りが取れる。ここがこうなれば、打球がこう飛ぶ。いろんなことが明確に分かりました。全ての面で終盤に、調子を取り戻すことができました。

 シーズンからちょっと間が空きましたが、いよいよ始まるなという感じです。ロッテはすごく勢いがあって、いいチームです。前夜も見ていて、面白いなと。本当は(午後)10時に寝たかったのに、テンションが上がって、寝るのがちょっと遅くなってしまいました(笑い)。

 京セラドームで登板するのも3年連続。やっぱり、ホームの利は感じています。例えば中6日のローテーションで回る時、1週間のリズムはずっと一緒。一緒のリズムの中で変化を見つけ、気づいて修正していく。これの繰り返しです。自宅で過ごすことも、睡眠や食事も大切。特に登板当日の栄養補給は、車のガソリンと同じなので。1週間の生活リズムが安定すれば、間違いなく試合に入りやすいです。

 過去2年の成績を見てみると、ビジターが少し悪いんです。完璧とはいきませんが、今年はビジターでもホームに近い調整を心がけました。トレーナーさんに体を整えていただき、全体のアップ、登板2時間前の動き出しからトレーニングという流れです。僕なりに工夫や改善をして、それが成績にも表れたのは良かったと思います。

 そして一番うれしく、ありがたいのは、ファンの皆さんの力です。球場の雰囲気がどんどん良くなっているのは、選手たちも感じています。優勝争いやCSといった試合は注目が高まりますし、そういった雰囲気によって、自然といつも以上の力が出たりします。これは余談ですが、9月の西武戦で「はよ投げろ」と言われました(笑い)。思わず「おっ!」と反応してしまい、中村剛也さんに死球を当ててしまいました…。マウンドにいても、それぐらい声援は聞こえているんです(笑い)。

 「チームのため」というのを思って、ずっと投げて来ました。CSを突破し、日本一になることが全員の目標です。そこに向かって投げるのみ。このまま、突き進みたいと思っています。(山本 由伸)

 【注】種市(ロッテ)らと奪三振のタイトル争いを演じ、9月24日の西武戦(京セラD)で7回を投げ、10奪三振。158奪三振とし、リーグトップに浮上した。シーズン最終登板だった10月2日の日本ハム戦(同)でも11奪三振。勝利数、防御率、勝率を含む「投手4冠」を確定的にした。

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