◆パ・リーグ　オリックス１×―０日本ハム（２０日・京セラドーム大阪）

　歓喜のウォーターシャワーにオリックスナインが酔いしれた。中嶋聡監督（５４）は大きく息を吐きながら勝者の列に加わり、選手を出迎えた。両軍無得点の延長１１回１死満塁。中川圭の執念の遊撃適時内野安打で今季７度目のサヨナラだ。「点の取り方を忘れたのかなと思って。やっと取ったな」と冗談交じりに、価値ある３連勝をかみしめた。

　延長１０回の攻撃前に、指揮官自ら円陣で活を入れるほど打線が低迷する現状。事実、８戦連続の２得点以下と苦しむが、その間も４勝３敗１分けと勝ち越している。原動力はリーグトップのチーム防御率２・８３を誇る投手陣だ。東が最速１５４キロの直球を武器に自己最長７回を３安打無失点の快投を見せると、８回からは山田、平野佳、山崎颯、阿部の救援４投手がヒットすら許さぬ鉄壁リレー。中嶋監督は「本当に持ち味全開でいい投球だった」と先発右腕を評価し、ブルペン陣に「もうそのまんま。ずっと同じことを言っている。本当によく投げていると思います」と最敬礼した。

　指揮官のマネジメント力も光る。就任当初からリリーフの３連投を原則避け、勝ちパターンや走者を置いた場面での起用など役割分担を徹底。この３連戦も１８日の初戦は延長の３イニングを先発経験のある山岡が担って引き分け、リリーバーをやり繰りした。守護神の平野佳は１９日にベンチ外。休み明けで１４試合連続無失点と好投し、「２連投したら明日休みと思ったら、みんな頑張れるところもある。しっかりマネジメントしてくださって、その中で勝っている」と感謝を口にした。

　チームは３カードぶりの勝ち越しで今季最多の貯金２３。２位・ロッテが勝利を収め、優勝マジックの最短点灯は２５日の直接対決（京セラＤ）に持ち越された。「形として、勝つことができて良しとします。（来週）６連戦頑張ります」と中嶋監督。投打が助け合う猛牛軍団に死角は見当たらない。（小松　真也）

関連ニュース

・【オリックス】中川圭太が劇打！　今季７度目サヨナラで３連勝！　投手陣は東から延長１１回完封リレー
・【オリックス】東晃平、プロ最長７回無失点の快投も３勝目ならず　最速１５４キロ計測
・【オリックス】人気企画「じゃがいもデー」に紅林弘太郎が決勝弾　連勝で今季最多タイ貯金２２　最短２４日にもマジック点灯
・【オリックス】紅林弘太郎がＶ弾　山崎福也は７回途中無失点で自己最多９勝
・【オリックス】ゴンザレスがスーパープレー！素手キャッチから本塁アウト