データ活用で、ファンの声を観戦体験の楽しさへ還元【株式会社西武ライオンズ 岩根良輔さん】

パ・リーグ インサイト 高橋優奈

株式会社西武ライオンズ 事業部 事業企画グループ 岩根良輔さん【写真:球団提供】
株式会社西武ライオンズ 事業部 事業企画グループ 岩根良輔さん【写真:球団提供】

 近年のプロ野球ビジネスの現場では、ファンサービスのアップデート、観戦満足度の向上を目指し、デジタルトランスフォーメーション(DX)が進められている。

 今回お話を伺ったのは、株式会社西武ライオンズの事業部 事業企画グループ マネージャーの岩根良輔さんだ。入社初年度からシステム開発に従事してきた岩根さんに、同社におけるDX推進の取り組みや、スポーツ業界で働くことの魅力、現在募集しているポジションで求められる役割について語ってもらった。

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ファンの声を素早く反映するために。データ活用の知見を組織全体へ

 前職は生命保険会社に勤務し、システム関係の部門で社内向けの事務システムや契約者向けサービスの企画・開発を担当していた岩根さん。新卒から10年が経ち、さまざまな会社を見てみたいと思った矢先に「PLMキャリア」の広告を目にし、同サービスを通じて2019年に株式会社西武ライオンズへ入社した。

 入社後から事業部 事業企画グループに所属。現在も社内における「DX推進」を大きなテーマに掲げ、球団公式アプリやLINEといったデジタルチャネルの活用、コンシューマービジネスにおけるデータ活用など幅広い業務に携わっている。そのなかで、今シーズンの開幕前には球団公式アプリの全面リニューアルを実施した。

「初期ローンチから6年が経ったタイミングで、新しいアプリとしてリリースしました。経緯としては、開発のスピード感などに課題を感じていたところがありました。前の製品は特性上、ちょっとした機能改修でもしっかり開発を組まないといけなかったので、今回は軽微な修正を手軽にできるように。お客さまの声やフィードバックを、すぐに機能に反映できるようにしたかったのが背景の一つですね」

 岩根さんは「システム系は使うこと自体が目的になってはよくない」と強調する。システムの導入や開発にあたっては、現場に近い部署と密にコミュニケーションを取り、解決したい課題に資する取り組みかを見極めながら実施しているという。システムは、最終的により多くのファンに来場してもらい、より楽しんでもらうための「手段」だ。

 そして、ゆくゆくは事業部 事業企画グループだけでなく、社内全体にデータ活用の知見を浸透させていきたいと展望を語った。

「現状、データ分析に関しては、販売実績や来場者アンケートなど各グループから依頼が来て、私のグループで担当するというパターンが多いです。しかし、例えばファンクラブ担当やチケット担当といった、現場に近い業務を担っている組織のメンバーたちが、それぞれの領域のデータをそれぞれで見て、次の企画検討につなげられるようになれば、よりファンの方々のニーズにマッチしたサービスが提供できると思っています。そのような環境を整えていきたいです」

入社直後から発揮できる裁量権

 現在、岩根さんが所属している事業部 事業企画グループでは、主力となる人材を募集している。入社直後からプロジェクトの中心となり、裁量権を持って働ける点は魅力的だろう。岩根さん自身も入社した初年度に、旧公式アプリやチケット認証システムの開発業務を主担当として遂行した。

「アプリの提供は球団として初めてだったので、何が正しいのかもよくわからず、調整ごともなかなか難しいなと感じました。チケット認証システムをつくるうえでも、まだ社内的なシステムのつながりをあまり理解できていなかったので、最初は手探り感がありました。ただ、それが社内のシステム上の連携や仕組みを理解する最初のステップになったかなと。そういう点で、印象深い業務になりました」

業務の様子【写真:球団提供】
業務の様子【写真:球団提供】

 初めての試みであるがゆえの苦労はあったものの、前職でのシステム開発やプロジェクト推進の経験を生かしながら、入社間もない頃からグループをけん引してきた岩根さん。そんな岩根さんが考える、新しい人材に求められる役割とは。

「デジタル関係に強みを持っている方であれば、デジタルを軸としたサービス提供やデータ分析の環境整備を担っていただければと思います。ただ、当社では開発部隊を持っているわけではありません。システム開発自体は協力会社に委託する形をとっているので、協力会社と密にコミュニケーションを取りながら、よりよいサービスの企画・設計・開発を進めることが必要になります。

データ活用においても、組織全体にその風土を広げていくという観点では、しっかり周囲のメンバーを巻き込んで、いろいろな施策を推進していくこと。特殊なスキルというよりは、コミュニケーション力や新しいことに積極的に取り組む姿勢が非常に大事だと思っています」

 事業企画グループでは単独で行う取り組みが少なく、さまざまなグループと連携を取ったうえで進める業務が多いという。しっかりと相手の意図を汲み取り、よりよい施策をつくっていけるようなコミュニケーション力と積極性の重要性を説いた。

フィードバックがダイレクトに届く。スポーツ業界で働くやりがい

 最後に、スポーツ業界およびプロ野球業界で働くことの魅力を聞いた。

「好きなことを仕事にできるのは、それだけで大きな魅力だと思います。そして、同僚は野球やスポーツが好きな方がほとんどなので、同じ方向を向いて働ける。業務をまたいだ取り組みをするときも、協力的な方が非常に多いなという印象を持っています。

あとは、ファンの方々からダイレクトにフィードバックをもらえること。球場でお客さんの様子を見られるだけでなく、アンケートでもかなりの回答数をもらえます。そこで『良くなったよね』といった声が上がっていると、うれしいなと思いますね。最近ではSNSでもご意見をいただきます。なかには厳しいご意見も多々ありますが、お褒めの言葉をいただくときにはやりがいとして感じられますね。

そして、多くのファンと一緒にチームを後押しして、勝ったらみんなで喜ぶ。そのような体験はスポーツ業界ならではだと思いますし、スポーツ業界で働く者として、自信を持っておすすめできるところです。ぜひ、このような環境で、中心となって働きたいという強い思いを持った方と一緒にチームを盛り上げていきたいです」

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インタビュー・文 高橋優奈

記事提供:パ・リーグ インサイト

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