ユーティリティ性を生かし、チームを支える選手たち
自身のポジションとして登録されている守備位置以外で試合に出場した選手は、どの球団にも少なからず存在している。チーム事情に応じて複数のポジションをこなすことができる選手の存在は、長いシーズンを戦い抜くうえで大きな支えとなることだろう。
今回は、2025年に登録ポジション以外の守備位置で試合に出場した選手たちについて、パ・リーグ各球団ごとに紹介。ユーティリティ性を生かしてチームを支えた選手の顔ぶれをあらためて確認するとともに、新シーズンにおける各選手の活躍にも期待を寄せたい。
北海道日本ハムファイターズ

郡司裕也選手、アリエル・マルティネス選手、吉田賢吾選手、田宮裕涼選手と、捕手登録のまま他のポジションで出場した選手が多く存在することが特徴的だ。その中でも、郡司選手は捕手、一塁手、三塁手、外野手の4ポジションで出場しながら主力打者として打線をけん引する活躍を見せ、リーグを代表するスーパーユーティリティの一人となりつつある。
前年まで投手と外野手の二刀流として出場していた矢澤宏太選手は、2025年に投手登録のまま外野手へ専念し、73試合に出場して攻守に存在感を放った。内野の全ポジションと外野をこなした中島卓也選手を筆頭に内外野を兼任する選手も多く、レイエス選手は指名打者として出場しない試合では登録ポジションの外野手ではなく一塁手を務めていた。
東北楽天ゴールデンイーグルス

内野手登録ながら内野での出場が一度もなく、外野手として25試合で守備に就いた小森航大郎選手を始め、内野手登録ながら外野手としても出場した選手が5名存在。ベテランの鈴木大地選手を除く4選手はいずれも外野手での出場試合数が最も多くなっており、ユーティリティ性と打撃力を活かして活躍の場を広げていたことがうかがえる。
埼玉西武ライオンズ

ネビン選手は来日1年目の2025年は外野手として登録されていたが、同年は一塁手として121試合で守備に就いた一方で、外野手として出場した試合は一度もなかった。一塁手としてベストナインとゴールデングラブ賞をダブル受賞する活躍を見せた強打の助っ人は、内野手に登録が変更された2026年にさらなる活躍を見せられるか。
今季は育成選手として再契約した野村大樹選手は、登録ポジションを内野手から捕手へと変更している。昨季は一塁手、二塁手、三塁手の3ポジションで試合に出場するユーティリティ性を発揮したが、高校時代以来となる捕手への挑戦によってさらに活躍の場を広げ、支配下復帰と本格ブレイクを果たせるかに注目だ。
外崎修汰選手は2025年にコンバートを受けた三塁手としての出場に加えて、久々に外野手も務めた。仲田慶介選手は二塁手、三塁手、遊撃手に加えて外野手としてポジション別で最多の27試合に出場する万能性を示した。
高松渡選手は登録ポジションこそ内野手ながら、守備に就いた試合は全て外野手として出場した。渡部聖弥選手も外野手登録ながら今季は開幕前の時点で三塁手として出場を重ねており、今季はさらに活躍の幅を広げる一年となりそうだ。
千葉ロッテマリーンズ

ともに本職は捕手である佐藤都志也選手と寺地隆成選手、外野手登録の岡大海選手と山口航輝選手の4名が、それぞれ一塁手としても試合に出場していた。外野よりも一塁で出場した試合数のほうが多かった山口選手に加えて、寺地選手は今年のオープン戦で捕手に加えて三塁手としても守備に就いており、打撃を活かして幅広い役割を担う可能性もありそうだ。
オリックス・バファローズ

頓宮裕真選手は一塁手として126試合に出場した一方で、登録ポジションである捕手としての出場は一度もなかった。同じく捕手登録の山中稜真選手も捕手としての出場はなく、一塁と外野で試合に出場。内野手登録の中川圭太選手も内野で守備に就くことはなく、外野の主力として115試合に出場してチームを支える活躍を見せた。
内野手登録の廣岡大志選手は一塁手、三塁手、遊撃手、外野手の4ポジションをこなし、外野手としてポジション別で最多となる75試合で守備に就いた。また、大里昂生選手も内野の全ポジションに加えて外野もこなす卓越したユーティリティ性を発揮している。
福岡ソフトバンクホークス

中村晃選手は2025年に一塁手として89試合で守備に就いた一方で、外野手としては一度も試合に出場しなかった。長年にわたって一塁と外野を兼任するマルチな才能を発揮しながら、2020年から4年連続で一塁手部門のゴールデングラブ賞を受賞した守備の名手は、登録を変更して迎える今季も安定したフィールディングでピンチの芽を摘み取ってくれそうだ。
中村晃選手とは正反対に、周東佑京選手は2025年は内野手登録だったものの、同年は外野手として96試合に出場した一方で、内野守備に就いた試合はなかった。外野手部門で2年続けてベストナインとゴールデングラブ賞に輝いた韋駄天が、外野手に登録を変更して迎える2026年にさらなる飛躍を果たす可能性も大いにありそうだ。
捕手登録の石塚綜一郎選手は捕手としての出場が一度もなく、一塁手と外野手としてプレー。同じく捕手が本職の谷川原健太選手は例年通りに強肩を活かして外野手としてもプレーしつつ、甲斐拓也選手の移籍に伴い捕手での試合出場も再び増加。牧原大成選手も二塁手と外野手を兼任しつつ、自身初の首位打者を獲得するなど攻守で出色の働きを披露した。
本来の登録ポジション以外で試合に出場した選手は、今季もマルチな才能を発揮するか
今季から登録ポジションを変更してシーズンに臨む選手もいれば、登録ポジション以外の役割での活躍が見込まれる選手もいる。本来のポジション以外で守備に就きながら出場を重ねる選手たちの活躍に、今季はより一層注目してみてはいかがだろうか。
文・望月遼太
