9月30日、ZOZOマリンスタジアムにて美馬学投手の引退試合が行われた。この日先発マウンドに上がった美馬学投手は、先頭・浅村栄斗選手に対して渾身の6球を投じ、空振り三振を奪った。
試合後のセレモニーでは、美馬投手の現役15年間を振り返る映像や、東北楽天でともにプレーした銀次氏、嶋基宏氏、則本昂大投手、松井裕樹投手、ゼラス・ウィーラー氏、田中将大投手からのビデオメッセージが放映された。
続いて、美馬投手が最後のあいさつを行った。以下、あいさつ全文。
「まずは、この素晴らしい舞台を用意していただいたチーム、関係者のみなさん、試合終了後にもかかわらず残ってくださっている監督、コーチ、選手、ファンのみなさん、球場に駆けつけてくれている家族、関係者のみなさん、本当にありがとうございます。
『小さいからプロには行けない』と言われ続けていましたが、諦めず挑み続けた結果、星野仙一監督のもとプロ野球選手になることができました。
2013年、日本シリーズ第7戦、先発の役目を終えた僕に、星野監督から『美馬、ありがとう』と声をかけていただきました。そのとき、チームのため、東北のために戦えたのだと初めて自信と誇りを持つことができました。
FAの際も温かい言葉と笑顔で送り出してくれた東北楽天のみなさん、不安でいっぱいだった僕を家族のように迎え入れてくれた千葉ロッテのみなさん、本当に感謝しています。
この15年を振り返ると、ケガとリハビリの連続でした。それでも何度も立ち上がれたのは、もう一度マウンドに立ちたい、もう一度勝利の喜びを感じたい、そしてまたあの大歓声を味わいたいと強く願っていたからです。
体がぼろぼろになるまで戦えたのは、トレーナーのみなさんや医療関係者のみなさんのサポートがあったからです。本当にお世話になりました。
一番近くでどんなときも寄り添い、力になってくれた妻には本当に感謝しています。たくさん苦労をかけてきたので、これから少しずつ恩返ししていきたいと思います。
『パパ、野球頑張ってね。今度応援に行くよ』といつも味方でいてくれた子どもたち。あなたたちがいたから何度も這い上がることができました。本当にありがとう。
きょう、最後のマウンドに立てたこと、そして家族の前で最後に投げている姿を見せられたこと、そしてこの最高の景色と、お世話になった両チームの前でユニフォームを脱げること、本当にうれしく思います。
大好きな野球を仕事にし、たくさんの方々と出会い、あっという間の15年間でした。本当に幸せでした。ありがとうございました」
そして、きょう投げ合った岸孝之投手、トレーナ-の伊藤純司さん、中央大の後輩である澤村拓一投手、ご家族から花束が贈呈された。最後は両チームの監督、コーチ、選手らと握手を交わし、場内を一周。マウンドにも両チームの選手らによる輪ができ、8回宙に舞った。
◇美馬学投手 通算成績
267試合80勝88敗 5ホールド 1042奪三振、防御率3.94 WHIP1.30
「お世話になった両チームの前でユニフォームを脱げること、本当にうれしく思います」美馬学引退セレモニー全文
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2025.9.30(火) 21:51
