【林昌範の目】福岡ソフトバンク甲斐拓也が証明「プロは指名順ではなく、入団してからが勝負」

2018.11.8(木) 14:29 Full-Count
福岡ソフトバンク・甲斐拓也※写真提供:Full-Count(写真:藤浦一都)

プロの頂点の戦いにふさわしく、見応えがあった日本シリーズ

 日本シリーズは福岡ソフトバンクが4勝1敗1分けで制し、2年連続9度目の日本一に輝きました。このシリーズを見ていて感じたのは福岡ソフトバンクのベンチのまとまりです。特に印象的だったのが、スタメンを外れた松田選手、このシリーズでは調子の上がらなかった内川選手が犠打を決めた後にベンチに戻った後の姿です。あれだけの実績がある選手が内心非常に辛い気持ちのはずなのに、ベンチで大声を出して明るく振る舞う姿に感動しました。若手選手はその姿を見てやはり何かを感じ取ることだと思います。
 また、内川選手に2度の犠打を命じ、成功した後に帽子を取り頭を下げた工藤監督。監督としてなかなかできることではないと思いましたが、すべての行動がチームがまとまる要因になったのではないかと思いました。
 そして、育成選手史上初の日本シリーズMVPを獲得した甲斐選手の存在が非常に大きかった。強肩で盗塁阻止率10割と広島の勢いを止めたといってもおかしくありません。カープの野球は盗塁だけではなく、「常に次の塁を狙いに行く姿勢」が特徴です。相手からすると非常に脅威で、投手も走者を出すとマウンドでいろんなシチュエーションを考えなければいけないため、ストレート系の球種が増えたり、コントロールが若干狂って失投を痛打される結果が生まれやす...

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