2位と大差をつけて4年ぶり20度目のリーグ優勝を果たした福岡ソフトバンク。今季から指揮を執った小久保裕紀監督のもと、7月30日には早くも優勝マジックが点灯するなど、圧倒的な強さを見せつけた今季の戦いぶりを、投手編と野手編に分けてお伝えする。
先発転向のモイネロは最優秀防御率のタイトル獲得
今季から先発に転向したモイネロ投手は大車輪の活躍を見せた。3月30日のオリックス戦で初先発のマウンドに上がると、敗戦投手になったものの、8回3安打2失点の力投を披露。その後も安定した投球を続け、6月には、4試合に先発して3勝0敗、防御率0.67の好成績で大樹生命月間MVP賞に輝く。8月12日には9回2安打1失点で来日初の完投勝利を挙げるなど、8月度も同賞を受賞し、1年を通じてローテーションを守り切った。最終的には25試合に登板し、11勝5敗、防御率1.88をマーク。最優秀防御率のタイトルを獲得し、三井ゴールデン・グラブ賞も初受賞した。
開幕投手・有原航平は5年ぶりに最多勝に輝く
開幕投手を務めた有原航平投手も充実したシーズンを送った。3月29日の開幕戦は、7回途中1失点で今季初勝利を挙げると、8月16日の千葉ロッテ戦では、今シーズン2度目の完封勝利を挙げる。夏場以降も調子を落とすことなく、先発の柱としてリーグ優勝に大きく貢献。結果的に14勝7敗、防御率2.36をマークし、北海道日本ハム・伊藤大海投手とともに最多勝のタイトルを獲得している。
大津亮介、C.スチュワート・ジュニア、大関友久は苦しむ時期がありながらも先発として躍動
昨季はリリーフとして46試合に登板した大津亮介投手は、今季から本格的に先発転向した。4月は3試合に登板し、3勝0敗、防御率0.90の好成績をマーク。シーズン序盤のチームをけん引する活躍を見せた。しかし、コンスタントに先発登板しながらも、夏場以降は勝ち星に恵まれず。それでも、ファームで調整を経て、自身のシーズン最終登板となった10月4日では、6回1安打無失点の快投で約3カ月ぶりの白星を手にした。
今季キャリアハイの成績を残したのは、6年目のシーズンとなったC.スチュワート・ジュニア投手。制球力の目安となるK/BBは前年の1.60から2.06とし、今季はデータ上でもストライクゾーンで勝負する投球をしていたことがうかがえる。シーズン序盤は白星に恵まれなかったものの、5月11日のオリックス戦で6回1失点の粘投で今季初勝利。その後も順調に登板を重ね、規定投球回未達ながらも、キャリアハイの9勝4敗、防御率1.95をマークした。
大関友久投手も自己最多となる8勝を挙げた。大関投手は、歴代の左腕エースがつけてきた背番号「47」を今季から背負う。6月下旬までは、無傷の自身5連勝を記録するなど、先発投手としての役割を大きく果たし、今季は20試合に先発。シーズン終盤はケガで離脱も、日本シリーズで復帰を果たしている。来季は自身初の2桁勝利を目指したいところ。
ともにシーズン終盤にケガで離脱も、松本裕樹&藤井皓哉がブルペンを支える
シーズン序盤、抑えを務めていたオスナ投手がケガにより離脱。その穴を埋めたのは、松本裕樹投手だった。開幕当初はセットアッパーとして腕を振り、4月は11試合で10ホールド、防御率0.82をマーク。6月4日の中日戦では、ベンチから外れたオスナ投手に代わって9回のマウンドに上がり、プロ初セーブを記録する。以降はクローザーとして登板を重ね、シーズン終盤に右肩痛で離脱も、計14セー...
続きを読む