巨人に移籍した中島とオリックス山崎勝は地元が一緒の幼馴染
プロ野球はオフシーズン真っただ中。各選手たちは自主トレ、契約更改など来季に向けすでに動きだしている。オリックスのベテラン捕手も球団施設で汗を流していた。見慣れないグラブを片手に……。
現在、36歳の山崎勝己は来シーズンは野手最年長で現役19年目をスタートすることになる。小谷野栄一内野手が現役を引退、同い年の中島宏之内野手は巨人に移籍することになった。「内外野と比べると捕手は少し特別なポジションですが、少し寂しい気持ちもある」。トレーニングを終えたベテラン捕手は寂しそうに口にした。
秋季キャンプを免除されたが体を休めることなくトレーニングを続けている。普段と1つだけ違うところは、キャッチャーミットではなく内野用のグラブを使用していることだ。「記念にもらったんですよ。形見として」と笑いながら見せてくれたのは、黒を基調とし「Nakajima」と刺繍されたグラブだった。
山崎勝と中島は地元が一緒の幼馴染。小学校時代はバッテリーを組み、高校は山崎勝が報徳学園、中島は伊丹北に進学し共に甲子園を目指した。その後は福岡ダイエー、埼玉西武と2人とも高卒でプロ入り。オフには自主トレを一緒に行うなどプライベートでも親交は続いた。
中島が日本球界復帰を決めた理由の1つは「何回も電話があったから」
中島が日本球界復帰を決めた2014年オフ。阪神、埼玉西武、オリックスの争奪戦となったが「勝己から『一緒にやろや』と何回も電話あったから。また、同じチームで野球ができるのは楽しみやね」と、中島はオリックス入りを決めた理由の1つとして山崎勝の存在を挙げていた。
2人が同じチームでプレーした期間は2015年から2018年の4年間。その間、チームは5、6、4、4位と全てBクラスに終わった。福岡ダイエー、福岡ソフトバンクで日本一を経験した山崎勝、そして、埼玉西武では黄金期の中心選手として数々のタイトルを獲得した中島。2人が同時に歓喜の瞬間を味わうことは叶わなかった。
初のセ・リーグへ移る“親友”に向け山崎勝は「どこのチーム、環境が変わってもヒロ(中島)は自分の野球をやるから心配なんかしてない。次はまた、敵として交流戦で対戦することになるかな。お互いが1軍にいればの話ですけどね」と再戦を心待ちにしている。
2人は来季37歳を迎えるシーズンに挑む。年齢からいっても1年、1年が勝負になる。「どっちが先にユニホームを脱ぐか、ある意味、楽しみ。また、いつか一緒のチームでできたら最高ですけど。僕は必死にしがみついてやるだけですね」。2019年6月18日からオリックスは巨人と3連戦を戦う。交流戦で再び交わる2人の対戦に注目したい。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
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