今年のトライアウトはタマスタ筑後で開催、47人が参加申し込み
12球団合同トライアウトが11月13日、福岡ソフトバンクの2軍本拠地である「タマホームスタジアム筑後」で開催される。今季は、計47人の選手が参加申し込みを行った。現役続行に向けて最後のアピールの舞台となるトライアウト。シートノック、シート打撃形式で行われ、果たして何人の選手が契約を手にすることができるのだろうか。
過去のトライアウトを振り返ってみると、元ドラフト1位投手の北方悠誠投手(横浜DeNA戦力外→福岡ソフトバンク育成)のようなポテンシャルを引き出せなかった若手選手や、工藤隆人外野手(千葉ロッテ戦力外→中日)のような一芸に秀でた選手が契約を掴むことも。例年ごく少数にしか吉報の届かない狭き門。今季のトライアウト申込者で注目選手をピックアップしてみよう。
〇東京ヤクルト・成瀬善久投手(33)
2007年シーズンに16勝1敗、防御率1.81という驚異的な成績を残し、千葉ロッテのエース左腕として君臨。FAで2015年に東京ヤクルトに加入してからは、4年間で6勝しかあげられず、2018年は1軍登板なしに終わり、戦力外通告を受けた。33歳という年齢は若干ネックとなるが、通算96勝の経験と、貴重な左腕ということで獲得に動く球団があるか。
〇中日・若松駿太投手(23)
ドラフト下位指名ながら、2015年に20歳の若さで10勝、防御率2.12の成績を残したが、ケガもありその後は伸び悩んだ。2018年は1軍登板なし、2軍でも5試合で防御率6.04に終わり中日から戦力外通告を受けた。まだ23歳と若いところはアピールポイントとなるか。
〇横浜DeNA・須田幸太投手(32)
2016年に62試合に登板、防御率2.68という成績を残したが、その後はケガもあり、苦しんだ。2018年は10試合で防御率7.59に終わり、横浜DeNAから戦力外通告を受けた。ファームでは24試合に登板し、防御率2.30とまずまず成績を残しており、中継ぎを手厚くしたい球団が獲得に動くかもしれない。
〇東京ヤクルト・久古健太郎投手(32)
ルーキーイヤーの2011年には52試合に登板、2013から16年まで4年連続で35試合以上に登板した経験豊富な中継ぎ左腕。2018年は1軍では6試合の登板にとどまったものの、ファームでリーグ2位の48試合に登板しており、まだまだ投げることはできそう。変則の中継ぎ左腕として、左腕不足、中継ぎ不足の球団にとっては面白い存在ではないだろうか。
〇阪神・西岡剛内野手(34)
4度のベストナイン、3度のゴールデングラブ、首位打者、シーズン200安打など、数々の実績を誇るが、阪神移籍後はケガに悩まされた。2018年は25試合、キャリアワーストの打率.125まで成績が落ち込み、阪神から戦力外通告を受けた。輝かしい実績はあるが、近年は目立った成績は残せていない。34歳という年齢を考えても、現役続行の道はなかなか険しいか。
〇巨人・中井大介内野手(28)
多くの部門でキャリアハイの成績を記録した2017年シーズンから飛躍が期待されたが、今季は打率.186と成績は下降。オフに巨人から戦力外通告を受けた。とはいえ、巨人の4番を打った経験、高いユーティリティ性や28歳という年齢、2018年シーズンも1軍で70試合に出場していたことを考えれば、獲得に乗り出す球団があってもおかしくはない。
〇阪神・今成亮太内野手(31)
2012年に阪神にトレードされて以降、高い打撃力を武器に準スタメン的な立ち位置を守っていたが、ここ2シーズンにわたって出場試合はなく、阪神から戦力外通告を受けた。ここ2年間1軍出場がなく、31歳と年齢も若くないだけに、トライアウトでなんとかアピールしたいところだ。
〇東京ヤクルト・鵜久森淳志外野手(31)
2015年に北海道日本ハムから戦力外通告を受け、トライアウトで東京ヤクルトと契約した。2016、17年には50試合程度の出場機会を得ていたが、2018年は19試合と出場機会が減少。打率.294を残したが、東京ヤクルトからキャリア2度目の戦力外通告を受けた。こちらも31歳と年齢は若くなく、契約のためにはトライアウトでの結果が求められる。
〇東北楽天・枡田慎太郎外野手(31)
2013年にキャリアハイの8本塁打を記録し、球団史上初の日本一に貢献したが、ここ2年間は打率が2割に届いておらず、戦力外通告を受けた。四球を選べる選手で、今期のファームでも打率.223ながら出塁率.344をマークした。年齢がネックだが、代打要員として獲得を検討しているチームもあるかもしれない。
◯中日・関啓扶投手(25)
2011年に中日に入団した右腕だが、1軍登板はないまま、わずか3年で戦力外に。現役を引退し、その後は球団のマネージャーを務めていたが、5年のブランクを経てトライアウトに挑戦することに。高校時代は最速148キロをマークした右腕は“奇跡の復活”を遂げるか。
◯元巨人・乾真大投手(29)
2017年に巨人から戦力外通告を受け、2018年はBCリーグに活躍の舞台を移した。高い奪三振率を誇る反面、通算の与四球率が4.60とコントロールに難があった。しかし、BCリーグで全体2位の防御率2.28を残し、課題だったコントロールも与四球率2.54まで改善した。先発のみならず、北海道日本ハム時代は中継ぎの経験も豊富なため、左腕不足の球団が獲得に動くかもしれない。
これらの選手のほかにも、甲子園の準優勝投手である佐藤世那投手(オリックス)、201センチ、125キロの恵まれた体格を持つ廖任磊投手(巨人)、経験豊富な伊志嶺忠捕手(東北楽天)、俊足の比屋根渉外野手(東京ヤクルト)などが申し込みを行なっている。現役続行をかけたラストチャンスに注目が集まる。
(Full-Count編集部)
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