オリックス戦力外から育成契約へ… 元球宴右腕・塚原は軟式片手に復活を目指す

Full-Count 橋本健吾

2018.10.29(月) 11:36

オリックス・バファローズ 塚原頌平※写真提供:Full-Count
オリックス・バファローズ 塚原頌平※写真提供:Full-Count

2016年に初のオールスター出場、大谷翔平とベンチで盛り上がる姿も

 2016年のオールスターに大谷翔平投手と共にパ・リーグの投手陣に名を連ねた右腕も戦力外通告を受けた一人だ。オリックスの塚原頌平投手。2010年にドラフト4巡目で指名を受け入団した右腕は来季からは育成契約として再び2桁の背番号を追い求めることになった。

 2012年に1軍春季キャンプに参加すると4月24日の東北楽天戦で1軍デビュー。150キロに迫る直球と落差の大きいフォークを武器に6月14日の横浜DeNA戦で初勝利をマーク。同年は右肘の故障もあり16試合に登板し1勝1敗、防御率3.60の成績を残し将来のエース候補として球団の期待を背負うことになる。

 右肘のケガに悩まされながらも2015年に約3年ぶりに1軍のマウンドに戻ってくると中継ぎとして41試合に登板し0勝4敗、13ホールド、防御率3.30の成績を残し、16年には自己最多の54試合に登板し監督推薦でオールスターにも出場した。ベンチで一緒になった大谷翔平の真横を陣取り笑顔を見せる姿が印象的だった。

 だが、2017年は4試合、そして今季は1軍出場のないままオフに戦力外通告を受け球団からは育成選手としての契約を提示された。

「何とか生き残りました。もうダメかなと思ったけど球団が最後のチャンスをくれた。あとは肘とどう付き合っていくか。痛みはないので春のキャンプまでに違和感を取ることができれば」

これまで3度の右肘手術を経験し現在は軟式ボールでリハビリを続けている

 これまでプロ入りしてから右肘の手術を3度経験。チームNo1のポテンシャルを持っていながら右肘がそれを邪魔する。結果を残す年があっても続かない“隔年投手”が塚原にとって一番の問題点だった。

 現在は球団施設でトレーニングに励み、キャッチボールの距離は30メートル程まで伸びた。たが、使うボールは軟式ボールだ。2軍でリハビリを行っている時に様々なアドバイスを受ける中で、今まで違った方法を試すことに決めた。

「今までは痛みを体が覚えていて、フォームを崩してまた痛める。それの繰り返しだった。一旦、神経に対して感覚を一回変えてみようと。少しづつですが軟式で徐々に力を入れて投げていこうと思っています」

 かつてのエース・小松聖(現2軍投手コーチ)から受け継いだ背番号「28」はわずか2年で剥奪。塚原はもう一度、「28」を背負う存在になるため必死にリハビリを続けている。現役時代、1軍登板が減少しても懸命に2軍で練習する先輩の姿は今も目に焼き付いているだけに「もう一度、1軍の舞台で投げられるように。このまま終わったら小松さんに笑われますから。ラストチャンスと思って全てを懸けます」と力を込めた。

 先輩同様に魂を込めた投球スタイルで打者と対峙する姿をもう一度見せることができるか。若手が台頭するオリックス投手陣の中で塚原の勝負の1年はもう始まっている。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

記事提供:Full-Count

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