開幕から3試合は5番を打つも、打撃不振で7番に降格
コロンビアで行われている野球の23歳以下の世界一を決める「第2回WBSC U-23ワールドカップ」は26日(日本時間27日)、スーパーラウンド第2戦が行われ、大会連覇を狙う日本はオープニングラウンド全勝対決となったベネズエラを6-3で下し、28日(同29日)に行われる決勝進出を決めた。
決勝打を放ったのは、今大会全試合で先発マスクを被り、投手陣を引っ張ってきた堀内謙伍捕手(東北楽天)だ。3ー3の同点で迎えた8回。先頭の内田靖人内野手(東北楽天)が中前打で出塁。安田尚憲内野手(千葉ロッテ)が犠打を決め、1死二塁とすると、この日2安打3打点の原澤健人内野手(SUBARU)が2ボールから敬遠され、1死一、二塁のチャンス。ここで、続く7番堀内が勝ち越しとなる右越え3ラン。2回以降、好リードで先発の種市篤暉投手(千葉ロッテ)を引っ張ってきた男は高めに浮いた変化球を逃さず、ひと振りで勝利をたぐり寄せた。
「(先発の)種市が頑張っていたので、勝ち星をつけてあげたかった。何とか打ってやろうという気持ちだった。とにかくフェンスを越えてくれと思いながら走った。最高の形になって、気持ちよかった。打線が早い回で援護できればよかったが、最後の最後でいい結果が出てよかった。みんなが喜んでくれて、打ててよかった」
今大会、開幕から3試合は5番を任されていたが、22日(同23日)の4戦目オランダ戦から7番に降格。そのオランダ戦を最後に2試合ヒットが出ておらず、「打順はどれだけ下がってもいい」と自嘲気味に話していたが、3試合13打席ぶりとなる安打が価値ある1発となった。
試合中、稲葉篤紀監督から耳打ちされた。
「最近打席に入っている時の顔が暗いぞ」
その一言で堀内は気持ちを切り替えた。「最近打てていなかったけど、最後の打席は開き直って入れたのがよかった」。延長に入れば無死一、二塁からのタイブレークが待っている中で飛び出したここぞの一撃。ベンチでガッツポーズした指揮官も「堀内は打撃でちょっと悩んでいたが、なんとか守備で切り替えてやってくれていた。いろいろ話をしながらやっていく中で、こういう大事な時に結果が出て、非常に嬉しかった」と、声を弾ませた。
これで日本は28日の決勝進出が決定。女房役として日本の投手陣を支えてきた堀内は「このチームでやれるのもあと2試合なので、全力を出し切って必ず優勝できるように頑張りたい」と、世界の頂点を見据えた。
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