【試合戦評】「鳥乱入」により試合中断の珍事。楽天と埼玉西武の2位攻防戦は雨天コールドで引き分け

パ・リーグ インサイト

2017.8.30(水) 00:00

2位を争っての直接対決となった今カード。昨日は埼玉西武が接戦を制し、いよいよ2位・楽天まで0.5ゲーム差に詰め寄った。勝てば2位浮上となる今日の一戦、先発を託されたのは岡本投手だ。先週の福岡ソフトバンク戦では5回途中9失点と崩れてしまっただけに、今日は勝利に貢献する投球を見せたい。

一方、昨日の敗戦で6連敗となった楽天は、美馬投手が先発。ここ2試合は連続して5失点と、本来の投球を見せられていない。今日は先発の役割をしっかりと果たし、自身初となる10勝目、さらにはチームの連敗ストップといきたいところ。

試合は初回から動きを見せる。1回裏、先頭のオコエ選手が死球で出塁すると、岡島選手の犠打が失策を誘い、1塁走者のオコエ選手が一気に生還。楽天が1点を先取する。さらに1死3塁から、今季初めて4番に入ったペゲーロ選手が左中間席への第24号2ラン。楽天がこの回一挙に3点を先制した。

1回表、2回表の得点機に1本が出ず、3回まで美馬投手に無得点に抑えられていた埼玉西武だが、4回表に反撃を開始する。1死から6番・外崎選手が四球で出塁すると、盗塁に成功し2塁に進む。この好機に、3試合ぶりのスタメンとなった7番・呉選手が、右翼フェンス直撃の適時三塁打を放ち、この回1点を返した。

しかし、2点差とされた楽天はその裏、2死から7番・枡田選手が敵失で2塁まで進塁すると、8番・嶋選手が適時打。即座に1点を加え、スコアを4対1とした。

2位奪取へ意地を見せる埼玉西武は、5回表に美馬投手を捉える。1死から3番・秋山選手がこの日2本目の安打で出塁。続く浅村選手が、甘く入った変化球を逃さず捉え、右翼ポール際へ16号2ランを放ち、1点差に詰め寄る。さらに、2死から6番・外崎選手、7番・呉選手が連打と盗塁で2,3塁の好機を作ると、続く岡田選手が適時二塁打を放ち、2点を追加。この回4点得を奪って、埼玉西武が逆転に成功した。

勢いを増す埼玉西武打線は6回表、2死から3番・秋山選手が振り逃げで出塁すると、4番・浅村選手が左前打で続き、この回も1,2塁と得点圏に走者を進める。この場面で、5番・山川選手がバックスクリーン右へ13号3ラン。スコアを8対4とし、4点のリードを握った。

強烈な雨と鳥の群れが飛来したことによる中断を挟んで迎えた8回裏、シュリッター投手に対し、2死から7番・枡田選手が四球を選び、代打・アマダー選手が安打を放つ。9番・茂木選手が四球で続き、2死満塁の好機を作ると、ここで1番・オコエ選手が右翼線に適時二塁打を放ち、2点差に詰め寄った。さらに、なおも2,3塁から2番・岡島選手が中前打を運ぶ。2塁走者・オコエ選手の好走塁も光り、楽天がこの回一挙に同点に追い付いた。

9回の攻防を前にして再び雨が強まり、ここで審判団が雨天コールドを宣告。8対8の同点で決着した。

中断後に見事な集中力を見せ、4点差を追い付いた楽天が試合を引き分けに持ち込んだ。先発の美馬投手がリードを守れない苦しい展開となったが、打線の猛攻で2位の座を死守する結果に。昨日復帰した岡島選手が同点打を放つなど、今後に向けて確かな収穫もあった。

対して埼玉西武は、中盤に見せた怒涛の逆転劇を、勝ちに結びつけることができず。しかし先制を許しながらも中盤に粘り強く反撃できたことは、これからの上位争いに向けて好材料となることは間違いない。明日は埼玉西武・菊池投手、楽天・安樂投手の両先発。2週間前に手に汗握る投手戦を繰り広げた2人の投球に期待したい。

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