初回に積極采配で一気に逆転「1アウトをあげるよりは攻めていこう」
■福岡ソフトバンク 8-3 北海道日本ハム(13日・ヤフオクドーム)
福岡ソフトバンクは13日、北海道日本ハムに8-3で勝利しクライマックスシリーズファーストステージの初戦をものにした。苦手とする上沢直之投手の立ち上がりを攻めた打線に、工藤公康監督も大満足だった。
先発のミランダ投手がいきなり1点を失ったものの、その直後にラッキーな安打もあり無死満塁とすると、柳田悠岐外野手がすかさず同点打を放ち、さらにデスパイネの満塁弾で一挙5点を奪った。
工藤監督は「(上沢は)回を追うごとによくなる投手。選手に立ち上がりから攻略するんだという思いが出ていた良い試合でした。デスパイネは、あれを無理せず逆方向に打ったのはさすがだなと思います」と打撃陣を称賛した。
この攻めにつなげたのは、先頭の上林誠知が二塁に出た後の攻撃的な采配だ。三塁に進めて高い確率で同点を狙うことなく、2番の明石健志に打ちに行かせた(結果は四球)。その場面については「立ち上がり、上沢くんが探り探りだったので、(送って)1アウトをあげるよりは攻めていこうという思い」と明かした。
その後、中村晃も柳田も積極的な初球打ち。「追い込まれるとフォークボールもあるので、最初にストライクを取ってくるボールを打つのが大事」と、打線の積極性を称えた。
好リリーフの武田、石川に「非常に大事な役割になる」
投のヒーローは、1死満塁のピンチで登板して見事な火消しを見せ、その後の2イニングも完璧に抑えた武田翔太だ。工藤監督は「彼のカットボールは狙っても打てるボールじゃない。内野ゴロが多いと思っていたので、あそこ(1死満塁)での決断は鈍ることなくいけたし、4回から行けるように準備もさせていた」と、ドンピシャにはまった采配に胸を張った。
「武田くんと石川くんの役割は大きい。今後勝つために、後ろの投手につなぐまでの非常に大事な役割になる」と、先発から回った2人に大きな信頼を寄せている。
超短期決戦の初戦を制して、ファーストステージ突破に王手をかけた。「初戦は非常に大事だし、選手も(初戦が)大事だと思って初球から集中して打席に立ってくれた。ベンチもいい雰囲気できている。(埼玉西武に)負けた悔しさを持って、この4日間を過ごしてくれたと思うし、その気持ちをひしひしと感じている」と、ナインたちのCS突破に対する熱い思いを高く評価した。
(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)
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