2盗塁決めるも「自分のことはいい」、現役を退く先輩をリスペクト「あれが矢野謙次の姿」
■北海道日本ハム 5-4 千葉ロッテ(10日・札幌ドーム)
北海道日本ハムの西川遥輝外野手が10日、本拠地での千葉ロッテ戦で2盗塁を決め、自身3度目の盗塁王へ大きく前進した。
初回に左腕のルーキー・山本大貴投手から四球を選ぶと、初対戦にも関わらず、初球にいきなりスタート。今季43個目の盗塁を楽々成功させた。続く3回の第2打席にも中前打を放つと、4球目にスタートを切り、スライディングすることなく二塁を陥れた。
初めて盗塁王を獲得した14年の43個を上回る通算44盗塁とし、この日の直接対決で盗塁できなかった2位の中村奨吾内野手との差を5個に広げた。
それでも西川は試合後「自分のことはどうでもいい」と素っ気ない反応。自己最多盗塁についても「特に」と多くを語らなかったのは、この日引退試合だった矢野謙次外野手へのリスペクトからだった。
セレモニーで花束を直接手渡した際には思わず涙を流した。「(矢野が)涙を我慢しているのを見たら、いろいろこみ上げてきて、ウルッときた」と照れながら明かした西川。7回に矢野が代打で放った左前打について「らしいヒット。野球の神様は見ているんだと思った。あれが矢野謙次の姿」と感動の場面を振り返った。
矢野からは多くのことを教わったという。「何事にも真剣で0か100しかない人。情熱を感じたし、後輩思いで、みんなのことを気にかけて見てくれた。いいお別れができた」と感謝した。
記事提供: