2018年のレギュラーシーズン全日程を消化した埼玉西武の戦績は、88勝53敗2分。全5球団に勝ち越し、9月30日に10年ぶりとなるリーグ優勝を果たす充実のシーズンだった。その強さを象徴するのは、何と言っても「獅子おどし」と異名を取った破壊力抜群の打線。チーム防御率はリーグ最下位だが、先発陣は2桁勝利トリオを結成し、救援陣も新戦力とともに巻き返して意地を見せた。
チームの投打成績における上位選手は以下の通り。※数字はいずれも10月9日時点
投手成績
【防御率】
1.菊池投手3.08
2.多和田投手3.81
【勝利数】
1.多和田投手16勝
2.菊池投手14勝
3.榎田投手11勝
【ホールド】
1.平井投手21ホールド
2.野田投手19ホールド
3.マーティン投手10ホールド
【奪三振】
1.菊池投手153
2.多和田投手102
3.榎田投手98
【試合数】
1.平井投手64試合
2.野田投手58試合
3.ヒース投手42試合
今季は3人の2桁勝利投手が誕生。菊池投手は昨季からやや数字を落としたものの、宿敵・福岡ソフトバンクからようやく初勝利を挙げた。多和田投手は防御率3点台後半ながら、年間を通してローテーションを守り、リーグトップの5完投、リーグ2位の2完封。阪神から移籍した榎田投手は、すべての部門でキャリアハイを大幅に更新する成績を残した。
ホールド部門の1位は2年目の平井投手が獲得。チームトップの64試合に登板し、勝利のバトンをつないだ。平井投手に次ぐ58試合に登板した野田投手は、点差を問わずマウンドに上がり、左の強打者と渡り合っている。シーズン後半から加入した新外国人・マーティン投手のセットアッパー定着は、優勝に向けた大事なピースとなった。
守護神・増田投手は苦しみながらも14セーブを挙げ、3年連続の2桁セーブを記録した。2位にランクインしたヒース投手の活躍は誰もが知るところだろう。途中加入にも関わらずチーム3位の42試合に登板し、新守護神として君臨した。
打撃成績
【打率】
1.秋山選手.323
2.浅村選手.310
3.外崎選手.287
【本塁打】
1.山川選手47本
2.浅村選手32本
3.中村選手28本
【打点】
1.浅村選手127打点
2.山川選手124打点
3.秋山選手82打点
【盗塁】
1.源田選手34盗塁
2.金子侑選手32盗塁
3.外崎選手25盗塁
打率においては、やはり秋山選手が堂々の成績。大台にはわずかに届かなかったが、チームトップの195安打を放った。山川選手は自身初の本塁打王獲得を確実なものとしている。「元祖おかわりくん」の中村選手も、シーズン後半から驚異的なペースで本塁打を量産。8月には12本塁打を放ち、ベテランの意地を見せ付けた。
打点では、浅村選手と山川選手が球団史上初となる120打点コンビを結成。特に浅村選手は、球団史上最多となる127打点をマークし、球団史にその名を刻むことに。打率、安打数、本塁打数でもトップ3にランクインしていることからも、今季のリーグ優勝において最大級の貢献を果たした選手と言っても、決して言い過ぎではないだろう。
盗塁に関しては、金子侑選手と外崎選手がともに昨季を上回る数字を記録しており、獅子の俊足部隊も貪欲に進化している。
2018年はリーグ優勝という何にも勝る結果を残した埼玉西武。しかし、その勢いをここで終わらせないためにも、もう一度黄金期を築くためにも、これからは追われる立場としての戦いが大事になってくるだろう。日本一を知るメンバーは少ない。今後はリーグ覇者らしく「パーソル CS パ」を勝ち抜き、日本シリーズの大舞台を目指す。
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