2018年のレギュラーシーズン全日程を消化したオリックスは、65勝73敗5分という戦績だった。交流戦から調子を上げて貯金を作り、福岡ソフトバンク、千葉ロッテと3位争いを繰り広げたが、7月に8連敗を喫し、最下位転落の危機にも瀕しながら4位フィニッシュ。2014年以来のポストシーズン進出は叶わなかった。
投手陣は、12球団トップとなる防御率3.69を誇ったが、打撃陣はリーグ5位の打率.244と苦しんだ。昨季33個と12球団ワーストだった盗塁は、今季3倍近くとなる97盗塁を積み上げ、「投」「走」については希望が見えるシーズンだったと言える。
チームの投打成績における上位選手は以下の通り。※数字はいずれも10月9日時点
投手成績
【防御率】
1.西投手3.60
2.山岡投手3.95
【勝利数】
1.西投手10勝
2.アルバース投手9勝
3.山岡投手7勝
【ホールド】
1.山本投手32ホールド
2.吉田一投手21ホールド
3.黒木投手17ホールド
【奪三振】
1.山岡投手121奪三振
2.西投手119奪三振
3.ディクソン投手84奪三振
【試合数】
1.増井投手63試合
2.吉田一投手58試合
3.山本投手54試合
規定投球回に到達したのは、西投手と山岡投手の2人だ。ただ、ともに2桁の黒星がつき、リーグワースト1位・2位の敗戦数。打線とかみ合わず力投が報われなかった。山岡投手は5月からの11試合で8連敗を喫し、中継ぎも経験したが、先発復帰後は調子を取り戻している。新外国人のアルバース投手、ルーキー左腕の田嶋投手は2桁勝利を達成できる力を見せ付けたが、故障で離脱。金子千尋投手は4勝に終わった。先発陣の完投数「2」は12球団最少タイである。
一方で、ブルペン陣の充実ぶりは際立った。移籍1年目の増井投手は、福岡ソフトバンクの森投手に次ぐセーブ数。高卒2年目の山本投手もフル回転し、北海道日本ハムの宮西投手と最優秀中継ぎのタイトル争いを繰り広げた。
打撃成績
【打率】
1.吉田正選手.321
2.ロメロ選手.237
3.安達選手.219
【本塁打】
1.吉田正選手26本
2.ロメロ選手25本
3.T-岡田選手13本
【打点】
1.吉田正選手86打点
2.ロメロ選手63打点
3.T-岡田選手43打点
【盗塁】
1.安達選手20盗塁
2.福田選手16盗塁
3.大城選手15盗塁
打撃陣は、吉田正選手がチーム三冠王。過去2年間は故障に悩まされてきたが、今季は全143試合に出場し、打率、出塁率はともにリーグ3位の好成績を残した。ただ、吉田正選手以外の主力が軒並み不調に陥り、4番に座る25歳に大きな負担がかかっていたことは間違いない。
安達選手の打率は、規定打席到達者の中でリーグ最下位。T-岡田選手は、昨年31本塁打を放って復活が期待されたが、13本塁打、打率.225と不振に悩んだシーズンとなった。出場試合数も5年ぶりに100試合を切り、来季は選手会長の意地を見せられるかどうか。
そんな中で、チャンスをつかんだ若手も少なくはなかった。社会人出身ルーキーの福田選手は113試合に出場し、打率.264。俊足巧打の内野手として、堅実に自身の役割をこなした。高卒4年目の宗選手は故障に見舞われたが、初本塁打などもマークし、将来の不動の1番打者として、確実にステップアップを果たしている。
オリックスは来季から、福良監督に代わって西村徳文氏が指揮を執る。西村氏は2010年~12年にかけて千葉ロッテで監督を務め、就任1年目にはチームを日本一に導いた。新体制の下、来季は若手とベテランの融合で上位進出を狙う。
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