ホークス先発陣をけん引する4年目右腕。大津亮介の“魔球”をデータで読み解く

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福岡ソフトバンクホークス・大津亮介投手【写真:球団提供】
福岡ソフトバンクホークス・大津亮介投手【写真:球団提供】
大津亮介投手 年度別投手成績 ©データスタジアム
大津亮介投手 年度別投手成績 ©データスタジアム

 2022年ドラフト2位で福岡ソフトバンクホークスに入団した大津亮介投手。先発転向2年目となった昨季は、序盤の不振を乗り越えて最終的に6勝をマーク。今季は8試合の登板で早くも5勝を挙げており、4月16日の楽天戦では自己最多の11奪三振を記録するなど、先発陣の柱としてチームを支える存在となっている。

 投手成績を見ると、昨季は4.93と振るわなかった奪三振率が7.79に良化。結果だけでなく投球内容も充実しており、ローテーション投手としての信頼感が増しているのも納得だろう。今回は、開幕から印象的な活躍を続けている右腕について見ていきたい。

大津投手の投球を支える緩急

大津亮介投手 球種別投球割合 ©データスタジアム
大津亮介投手 球種別投球割合 ©データスタジアム

 上の表で示したのは球種別の投球割合。大津投手が操る多彩な球種の中で今回注目したいのがチェンジアップだ。リリーフを務めていたプロ1年目は投球割合4.3%と使用頻度は多くなかったが、24年の先発転向を機にいわゆる「来ない系」のチェンジアップを新たに習得。元々使用していた「落ちる系」と投げ分けるようになり、いまではストレートと並んで右腕の投球を支える重要な球種となっている。

 この2種類の投げ分けは軌道の違いもさることながら、緩急の面でも効果的で、今季でいえば最も遅い「来ない系」の109km/hと最も速い「落ちる系」の128km/hとの間には19km/hもの球速差がある。

今季はチェンジアップで好成績

大津亮介投手 チェンジアップ成績 ©データスタジアム
大津亮介投手 チェンジアップ成績 ©データスタジアム

 このチェンジアップは持ち球の中でスイング奪空振り率が最も高く、打者から空振りを奪うボールとして機能。また、今季は被打率やストライク率でも例年以上に好成績を残しており、チェンジアップが自身の中で信頼できる球種になっていることで、奪三振率をはじめとする投球全体のクオリティーにも良い影響をもたらしていると考えられる。

チェンジアップをウイニングショットに

大津亮介投手 チェンジアップの追い込む前後投球割合 ©データスタジアム
大津亮介投手 チェンジアップの追い込む前後投球割合 ©データスタジアム

 前述したようにチェンジアップは24年から主要な球種となっているが、昨季まではあくまでも多彩な球種の中の一つという印象だった。しかし今季は2ストライクに追い込んでからチェンジアップを投げ込む割合が増加。ここまで記録した47個の三振のうち、約4割にあたる19個をチェンジアップで奪っている。最も空振りを奪えるこの球種をウイニングショットに据えたことも、奪三振率の向上につながる要因だといえるだろう。

魔球と呼ぶにふさわしいもう一つの特徴

大津亮介投手 チェンジアップのストライクゾーン投球成績 ©データスタジアム
大津亮介投手 チェンジアップのストライクゾーン投球成績 ©データスタジアム

 最後に大津投手のチェンジアップが持つ特徴をもう一つ紹介したい。それはストライクゾーンで空振りが奪えるということだ。チェンジアップに限らず、変化球で空振りを狙う場合のセオリーは打者にボール球を振らせることだ。ところが、大津投手はリーグの他の投手と比べてチェンジアップをストライクゾーンに投じる割合が高く、かつそのゾーン内で高い奪空振り率を誇っている。

 2種類の投げ分けはもちろん、平均球速146.3km/hのストレートや平均133.0km/hのフォークとのコンビネーションでも緩急をつけることにより、見送れば当然ストライク、スイングを仕掛けてもバットで捉えることが難しいという、まさに魔球と呼ぶにふさわしい球種に仕上がっているわけだ。

 昨季の「SMBC日本シリーズ2025」第4戦では、託された大舞台の先発マウンドで役割を果たすなど、プロ野球選手として着実にキャリアを積み重ねている大津投手。新たに背番号19を背負って臨む2026年シーズンもここまで上々の成績を残しており、目標とする2ケタ勝利を射程圏内に捉えている。ホークス投手陣をけん引する4年目右腕が、チームをリーグ3連覇に導くのか。今後のピッチングにも注目していきたい。

※文章、表中の数字はすべて2026年5月26日終了時点

文・データスタジアム

記事提供:パ・リーグ インサイト

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