難病のハンデを苦にせずプロ14年間を戦った石井裕
今季限りで現役を引退する北海道日本ハムの石井裕也投手が30日、本拠地・札幌ドームで行われた埼玉西武戦に登板。3点リードの7回2死二塁の場面で秋山を左飛に抑え引退登板を終えた。試合後は引退セレモニーが行われた。
引退セレモニーでは阪神・福留、元中日監督の谷繁氏など多くの著名人からコメントが送られた。そして、最後にマウンドに上がった石井裕はファン、球団、家族らに感謝の言葉を送った。
冒頭では「まず初めに、このようなセレモニーを用意してくれたファイターズの関係者の皆様、最後まで残っていただいたファンの皆様、本当にありがとうございます」と引退セレモニーの場を作ってくれた球団に感謝の言葉を口にした。
プロ14年目を振り返り「ドラゴンズに3年、ベイスターズに2年、そして北海道日本ハムで過ごした9年間。かけがえのない時間でした。2012年の日本シリーズで決定打を打たれ敗戦投手になった僕をファンの皆さんはたくさんの拍手で迎えてくれて心が折れそうな僕を救ってくれた」と、北海道日本ハムファンの暖かい声援に感謝した。
引退を決断した理由は「そんな皆様の気持ちに応えたいと思いプレーを続けてきましたが、中々、思い通りできないことが多くなり悔しさも残りましたが、今季を持って引退する決断を下しました」と説明。今後についても「プロ野球選手ではなくなりますが、大好きな野球はずっと続けていきたいと思いますし、いろんな形で野球の楽しさを伝えていければいいと思います」と口にした。
先天性難聴のハンデがありながら、気迫の投球で打者を打ちとる姿はいつしか“サイレントK”と呼ばれた。「難聴というハンデを持って生まれてきた僕を周りの子と同じように育ててくれて、たくさんの愛情を注いでくれて一番のファンでいてくれたお母さん、ありがとう」と両親に感謝の言葉を贈ると、見守っていた北海道日本ハムナインも思わず涙を流していた。
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