新庄剛志監督の続投4年目。昨季は大躍進を遂げ、大きな期待がかかっていた北海道日本ハムファイターズは、83勝57敗3分、勝率.593と2年連続の2位で2025シーズンを終えた。本記事では北海道日本ハム野手陣の2025シーズンを振り返っていく。
一発攻勢、リーグ最多の129本塁打
チーム打率.248(リーグ3位)、得点数548(2位)は昨季(打率.245、得点数532)とほぼ同じ成績に。一方で、本塁打数は昨季の111を上回るリーグ最多の129をマーク。一発での得点で、ファンも大いに盛り上がる試合が数多くあった。
郡司裕也、レイエスら打線をけん引
打撃で大きな活躍を見せたのは郡司裕也選手。111試合に出場し、打率.297、10本塁打42打点をマークした。なかでも印象的なのは、3本のサヨナラ打。4月11日の埼玉西武戦でサヨナラ弾を放つと、5月21日の福岡ソフトバンク戦、5月31日の千葉ロッテ戦でも一振りでチームをサヨナラ勝利に導いた。
また、2年連続2桁本塁打も記録。移籍3年目も安定した打撃で打線をけん引した。背番号が「3」に変わる来季の活躍にも期待がかかる。
来日2年目のレイエス選手は、132試合に出場。打率.277、32本塁打90打点の好成績を残し、本塁打と打点の2冠王に輝いた。球団では、2020年以来の30本塁打超え。助っ人選手としてチームに貢献した。
また、「2025 パーソル CS パ」ファイナルステージでは、4本塁打6打点をマーク。10月18日の第4戦では、2本塁打を含む4打数3安打4打点と、大きな存在感を放った。11月10日に契約合意。来季も主砲として打線をけん引できるか。
清宮幸太郎選手は、チーム最多、キャリアハイの138試合に出場。3年ぶりに規定打席に到達した。また、昨季までを大きく上回る143安打65打点と、いずれもリーグ2位の成績をマーク。
昨季同様、夏場で特に存在感を放ち、7月は9試合連続安打を放つなど、月間打率.301の好成績をマーク。「マイナビオールスターゲーム 2025」の第2戦では、3打数2安打1本塁打で自身2度目のMVPを受賞した。
二遊間の定位置争い。山縣秀が頭角を現す
昨季の二遊間は、主に水野達稀選手、石井一成選手、上川畑大悟選手が出場していたが、今季は1年目・山縣秀選手が頭角を表した。
二軍で開幕を迎えたが、4月15日に初の一軍昇格を果たすと、18日のオリックス戦でプロ初安打をマーク。6月4日の阪神戦では、プロ初の本塁打を放った。8月に一度二軍調整を行ったが、守備でチームに貢献する場面も多く、シーズンの大半を一軍で過ごした。
さらに、9月9日の福岡ソフトバンク戦では、モイネロ投手から2打席連続本塁打を放つなど、終盤でも勢いは衰えず。「2025 パーソル CS パ」ファイナルステージ第3戦でも本塁打をマーク。結果的には84試合に出場し、打率.232、3本塁打と、1年目から攻守ともに十分な力を発揮した。
石井一成選手は108試合に出場し、打率.259、6本塁打30打点をマーク。8月には4番打者を任されることもあり、8月6日の埼玉西武戦では4打数4安打の固め打ちを披露した。FAによりチームを離れることになったが、新天地・埼玉西武での活躍にも注目だ。
水野達稀選手はキャリアハイの出塁率.317をマークするなど、100試合で打率.247、7本塁打39打点。奈良間大己選手は主に守備固めとして途中出場が多かったものの、86試合で打率.220、1本塁打3打点の成績を残した。来季はどのような二遊間争いが繰り広げられるか。
田宮裕涼、万波中正らの活躍も
昨季ブレイクした田宮裕涼選手も安定した活躍を見せた。開幕戦でスタメンマスクを被ると、その後も一軍で出場。6月15日の広島戦では、10回裏に自身初のサヨナラ本塁打を放ち、最大7点差あった試合をひっくり返すなど、攻守でチームに貢献した。
万波中正選手は、3年連続規定打席に到達。127試合で打率は.229に終わったものの、リーグ4位の20本塁打を記録した。また、矢澤宏太選手は今季は野手に専念。キャリアハイの86試合に出場し、打率.247、1本塁打18打点をマーク。また、盗塁数もチーム2位の11と、足でも存在感を示した。
新庄剛志監督は来季も続投。リベンジの年に
2年連続リーグ2位と健闘した新庄剛志監督は、来季で監督就任5年目を迎える。今季の勢いをさらに上回り、悲願のリーグ優勝なるか。数々のドラマを生み出す北海道日本ハムに、来季も注目だ。
文・薗田陽和
