北海道日本ハム・中田が球団史上最多4度の100打点。NPB最多は王貞治の14回

Full-Count 広尾晃

2018.9.18(火) 16:10

北海道日本ハム・中田翔【写真:石川加奈子】
北海道日本ハム・中田翔【写真:石川加奈子】

打点は勝負強さの証明する指標、NPBでは18人が100打点を4度以上記録

北海道日本ハムの中田翔内野手は、9月16日のオリックス戦で9回に中犠飛を記録し、今季通算打点を「100」の大台に乗せた。中田の100打点は、これが4回目となる。

「打点(RBI=Run batted in)は、打撃3冠の1つだが、セイバーメトリクス的には偶然の要素が大きく、あまり重要視されない。WARやRCなどの打撃の総合指標でも、打点が加算されることはない。

しかし、打点は中軸打者により多くつく。打者の勝負強さやチームへの貢献度を示す重要な指標であることは間違いない。勝負強い打者のことを「クラッチヒッター」と呼ぶが、打点はまさにクラッチヒッターの度合いを示す指標だと言えよう。

北海道日本ハムでは、大杉勝男(東映時代)、小笠原道大が3回100打点を記録していたが、4回目はチーム最多となる。

NPBでは1948年に藤村冨美男(大阪)、川上哲治(巨人)が初めて100打点を記録してから、延べ244人が100打点以上を記録しているが、4回以上100打点を記録したのは18人いる。

〇14回
王貞治(巨人)
1963年 106打点
1964年 119打点
1965年 104打点
1966年 116打点
1967年 108打点
1968年 119打点
1969年 103打点
1971年 101打点
1972年 120打点
1973年 114打点
1974年 107打点
1976年 123打点
1977年 124打点
1978年 118打点

〇8回
アレックス・ラミレス(ヤクルト、巨人)
2003年 124打点(ヤ)
2004年 110打点(ヤ)
2005年 104打点(ヤ)
2006年 112打点(ヤ)
2007年 122打点(ヤ)
2008年 125打点(巨)
2009年 103打点(巨)
2010年 129打点(巨)

〇7回
野村克也(南海)
1962年 104打点
1963年 135打点
1964年 115打点
1965年 110打点
1967年 100打点
1970年 114打点
1972年 101打点

長嶋茂雄氏は5回、松井秀喜氏はNPBで5回、MLBで4回

〇6回
山本浩二(広島)
1977年 113打点
1978年 112打点
1979年 113打点
1980年 112打点
1981年 103打点
1983年 101打点

タフィ・ローズ(近鉄、巨人、オリックス)
1997年 102打点(近)
1999年 101打点(近)
2001年 131打点(近)
2002年 117打点(近)
2003年 117打点(近)
2008年 118打点(オ)

〇5回
長嶋茂雄(巨人)
1963年 112打点
1966年 105打点
1968年 125打点
1969年 115打点
1970年 105打点

ブーマー・ウェルズ(阪急、オリックス)
1984年 130打点(急)
1985年 122打点(急)
1986年 103打点(急)
1987年 119打点(急)
1989年 124打点(オ)

松井秀喜(巨人)
1997年 103打点
1998年 100打点
2000年 108打点
2001年 104打点
2002年 107打点

松中信彦(福岡ダイエー、福岡ソフトバンク)
2000年 106打点(ダ)
2001年 122打点(ダ)
2003年 123打点(ダ)
2004年 120打点(ダ)
2005年 121打点(ソ)

アレックス・カブレラ(西武、オリックス、福岡ソフトバンク)
2001年 124打点(西)
2002年 115打点(西)
2003年 112打点(西)
2006年 100打点(西)
2008年 104打点(オ)

今季で引退の新井は4回、埼玉西武の中村も4回記録

〇4回
長池徳二(阪急)
1969年 101打点
1970年 102打点
1971年 114打点
1973年 109打点

大杉勝男(東映、日拓、日本ハム、ヤクルト)
1970年 129打点(東)
1971年 104打点(東)
1972年 101打点(東)
1977年 104打点(ヤ)

落合博満(ロッテ、中日、巨人、日本ハム)
1985年 146打点(ロ)
1986年 116打点(ロ)
1989年 116打点(中)
1990年 102打点(中)

小笠原道大(日本ハム、巨人)
2000年 102打点(日)
2003年 100打点(日)
2006年 100打点(日)
2009年 107打点(巨)

タイロン・ウッズ(横浜、中日)
2004年 103打点(横)
2005年 103打点(中)
2006年 144打点(中)
2007年 102打点(中)

新井貴浩(広島、阪神)
2006年 100打点(広)
2007年 102打点(広)
2010年 112打点(神)
2016年 101打点(広)

中村剛也(埼玉西武)
2008年 101打点
2009年 122打点
2011年 116打点
2015年 124打点

中田翔(北海道日本ハム)
2014年 100打点
2015年 102打点
2016年 110打点
2018年 102打点

NPBでは、多くの打撃記録は王貞治が1位になっている。この100打点の達成回数でも王が圧倒的だが、2位には現横浜DeNA監督のラミレスがつけている。ラミレスは8年連続で100打点を記録するなど、極めて勝負強かったのだ。以下、球史に残る強打者が並んでいる。

なお、100打点5回の松井秀喜氏はMLBヤンキースでも100打点を4回記録している。日本人MLB選手で100打点を記録したのは松井氏だけだ。

中田は、大阪桐蔭の先輩である中村剛也と同じ4回だが、まだ29歳。これから打者として円熟味を増してくる。100打点を何回積み増しできるか、楽しみだ。

記事提供:Full-Count

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