埼玉西武、エース千賀を打ち砕き天王山初戦制す 指揮官「最後まで簡単には終わらない」

Full-Count 岩国誠

2018.9.16(日) 10:00

埼玉西武・辻発彦監督【写真:荒川祐史】
埼玉西武・辻発彦監督【写真:荒川祐史】

福岡ソフトバンク千賀から7点を奪いKO

■埼玉西武 11-5 福岡ソフトバンク(15日・メットライフ)

首位・埼玉西武は15日、本拠地メットライフドームで2位・福岡ソフトバンクを迎え撃つ「首位攻防3連戦」の初戦を制した。初回に福岡ソフトバンクのエース・千賀からミスに乗じて3点を先制すると、3-2と1点差で迎えた5回には3番・浅村&4番・山川のアベックアーチなどで計7点を奪いKO。その後も追加点を挙げた埼玉西武が11-5で快勝しゲーム差を4.5へと広げた。

辻監督の思惑は杞憂に終わった。福岡ソフトバンクのエース・千賀とのマッチアップに「厳しい試合になると思っていた」と語ったが終わってみれば快勝だった。「プレッシャーをかけるためには、どんな形でも出塁して、あのフォークはなかなか打てるものではないので、走塁面なども積極的に」という、チームの戦略通り、2番・源田の振り逃げを起点に1死満塁からのワイルドピッチで、三塁走者の源田が躊躇なくホームイン。さらに「あれは見事だったね」と指揮官が讃えた5番・栗山の2点適時二塁打で、エース・千賀から初回に3点を先制した。

試合の流れを奪った初回の3点に「いつも言うようにどんな投手でも、千賀のようなエースでも立ち上がりは難しいもの。みんな今日の試合は大事だと思っているし、相手選手もそうだろう。その中での試合で力が入っていたと思う」と、指揮官は振り返った。

その後、1点差に詰め寄られるも5回には、浅村&山川のアベック本塁打で一挙4点。まずは、自身最多タイとなる27号3ランを放った3番・浅村。腰の不安を抱えながらの一発を放った頼れるキャプテンだが、その不安を感じさせない連夜の活躍。

浅村が試合を決定付けた3ランに「反応で打てるっていうのは技術力の高さ」

ここ一番での勝負強さについて指揮官は「それだけの技術があるってことですよ。タイミングを取るのが非常にうまいし、反応で打てるっていうのは技術力の高さ。そして集中力。いいバッターですよ」と、自ら指名したキャプテンに全幅の信頼を置いている。

ただ、昨日と同じく、8回裏には大事をとって浅村はベンチへ。「しばらくこういう起用が続くと思う。腰は守備についているだけでも張ってくる。それが出てきたら黄色信号。俺も経験があるので無理はさせられない。(浅村の)離脱だけは困る」と、今後も状態を考慮しながらの起用を口にした。

そして4番・山川。「どさくさに紛れて」と、山川自身がお立ち台で笑いを誘った浅村との連弾の後、8回裏には、パ・リーグでは2011年の埼玉西武・中村以来となるシーズン40号本塁打を放ち、試合を決定付けた。

埼玉西武の頼れる4番となった山川に対し、「ここ(メットライフドーム)で、143試合やったらすごい打つだろうね。ここ大好きだって言ってるから」と、報道陣の笑いを誘った。実際に山川のメットライフドームでの本塁打数は、59試合で23本と好相性。「大好き」と言い切るのも頷ける。

前日の試合後、「天王山」とこの3連戦を表現した指揮官。その初戦、エースを相手にしての大勝となったが「結果はそうだったけど、最後まで簡単には終わらない。長打力はあるし、ランナーを嫌な形で出したら…。戦う上ではやはり怖い相手です。今回はあれだけの点差があったからよかったようなものの、まだまだ慎重に攻めていかなければならない」と、9回に川島と上林に浴びた2つのソロ本塁打を引き合いに出しながら、明日の天王山第2戦へ向け、気を引き締めていた。

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