2014年にオリックスと熾烈な優勝争い「シーズン中で勝てる試合はあった」
互いに1点が取れないもどかしい展開が続いた29日の千葉ロッテ戦。その中で、均衡を破ったのは6回の満塁機に代打に起用された明石健志だった。
チームにとっては8月25日の埼玉西武戦の初回に松田宣浩が放って以来、34イニングぶりのタイムリーだった。「そんなに久しぶりというのは何も知らなかった。みんなが回してくれたので『何とか』という気持ちで打席に入った。ベンチから見ていて、真ん中から外の球が良かったので、外のボールは打ちにいっても空振りかファールと思っていた」という明石。ゾーンをちょっと上げて、内側に甘めに入る真っ直ぐとスライダーに狙いを絞って振り抜いた。
春季キャンプで痛めた腰は、まだ不安がないわけではない。「でも(1軍に)呼ばれた以上はやるしかない。その中でいいパフォーマンスが出せるように、いい準備をするだけ」という。
お立ち台では「今日の1勝は大きいと思う」と語ったが、囲み会見ではさらに突っ込んだ話になった。
「前半戦の1勝とは違う。取り返しがつかなくなるというのもあるし、『あそこで1勝できていれば』というのも経験しているので、勝てる試合は勝っていかないと。残り30試合はあっという間だと思う。緊張感も増してくるし、バントにしろ、盗塁にしろ、重圧がかかってくる」
2014年のオリックスとの優勝争い。最終戦までもつれ込んで何とか優勝はできたが「シーズン途中で勝てる試合はあったと思う」と語る。1勝の重さを知る男が、ここから先も大事な場面できっと結果を残してくれるだろう。
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