2024年、オリックスの中継ぎ陣は、1年目から50試合登板&防御率0点台の古田島成龍投手や、鈴木博志投手、吉田輝星投手ら新加入の選手が台頭した。一方で、3連覇を果たした前年、主にブルペンを支えた投手たちはケガや成績不振で離脱を余儀なくされた。2023年に35試合以上登板し、2年ぶりに勝ちパターン復帰を目指す5名の投手を紹介する。
山崎颯一郎
2022年9月以降中継ぎを務めている山崎颯一郎投手。2023年は自己最多となる53試合に登板し、リーグ3位の27ホールド、防御率2.08を記録するなど中継ぎの柱に。3連覇を決めた9月20日の千葉ロッテ戦では、4点リードの最終9回表に登板して試合を締めた。
2024年は、上半身のコンディション不良の影響もあり、わずか7試合の登板に終わったが、最速160km/h右腕の復活はチームに必須だろう。
阿部翔太
プロ2年目の2022年に、44試合で防御率0.61の好成績を残した阿部翔太投手。2023年は前年を上回る49試合に登板するなど、中継ぎの中心を担った。しかし、昨季は6月3日の登録抹消後、7月に左太もも裏を負傷。約4カ月間戦線を離れてしまった。
2025年シーズンは投手主将を務めることが決定しているだけに、持ち味の強気のピッチングでチームを引っ張りたいところだ。
宇田川優希
2020年育成選手ドラフト3位で入団した宇田川優希投手は、2022年7月に支配下登録を勝ち取ると、中継ぎとして19試合、防御率0.81の好成績を残し、2023年のWBC日本代表メンバーにも選出された。勢いそのままに、シーズンでも46試合に登板し、防御率1.77、プロ初セーブも記録。
一転して13試合の登板にとどまった昨季は、度重なる故障に悩まされた。万全な状態でセットアッパー復帰を狙う。
平野佳寿
2021年の日本球界復帰後も、オリックスの守護神を担ってきた平野佳寿投手。2023年は42試合に登板し、防御率1.13、史上4人目の日米通算250セーブを達成した。
昨季は5月22日に右肘の張りのため登録抹消となり、そのままシーズン終了。12試合と19年目にしてキャリア最少の登板数に。復活を期す2025年は、700試合登板まであと3、1000奪三振まであと2、NPB通算250セーブまであと1と、偉大な記録達成にも期待がかかる。
小木田敦也
小木田敦也投手はプロ2年目の2023年、ロングリリーフや回またぎもこなしながら38試合に登板。防御率2.19とブレイクを果たした。ところが、昨季はシーズン序盤に右肘を負傷。前年を上回る8ホールドを挙げたものの、13試合の登板と物足りない数字に終わった。
オフの契約更改で「(2025年シーズンは)50試合は投げたい」と話していた小木田投手。大車輪の活躍を見せてくれることに期待したい。
そのほか、32試合に登板していた山田修義投手は、2024年も50試合登板とフル回転。中継ぎに転向した山岡泰輔投手、昨年限りで現役を引退した比嘉幹貴投手(現一軍投手コーチ)も31試合に登板していた。
今季は、昨年まで投手コーチを務めていた岸田護監督が指揮を執る。3連覇を支えた中継ぎ陣が復活を果たし、より盤石な投手陣を形成できるか注目だ。
文・丹羽里歩子
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