佐々木朗希投手の米球界挑戦によって、来季の千葉ロッテは先発陣の柱の一人が抜け、先発争いはいっそう激化しそうだ。前編では、期待の若手先発3名を紹介。今回は、来季奮起が促される2名のベテランに注目した。
石川歩
石川歩投手は東京ガスから2013年のドラフト1位でプロ入り。1年目の2014年に10勝を挙げて新人王のタイトルを獲得し、プロ入りから3年連続で2桁勝利を記録する出色の活躍を見せた。2016年には14勝5敗、防御率2.16と安定感抜群の投球を披露し、自身初タイトルとなる最優秀防御率の座に輝くキャリアハイのシーズンを送っている。
2017年以降は2桁勝利から遠ざかっているものの、チームのエース格として長年にわたって奮闘。2022年には20試合に登板して防御率2.93を記録するなど、主力投手として好投を見せていたが、2023年は故障で一軍登板なしに終わり、育成契約を結んで再起を期す運びとなった。
3桁の背番号を背負って迎えた2024年は二軍で10試合に登板し、防御率1.77と格の違いを見せつける投球を展開。6月には支配下復帰を勝ち取り、一軍でも5試合の登板で3勝を挙げ、防御率3.70と一定の投球を見せた。石川歩投手がこれから本来の状態により近づくことができれば、かつてのエースの存在はチームにとっても大きな助けとなることだろう。
唐川侑己
唐川侑己投手は地元の成田高校から、2007年の高校生ドラフト1巡目で千葉ロッテに入団。プロ1年目の2008年から一軍で先発陣の一角に加わり、4年目の2011年には12勝を挙げて防御率2.41と好成績を記録。2度の無四球を含む3度の完封を挙げる大活躍を見せ、持てるポテンシャルの高さを存分に示した。
その後は相次ぐ故障もあって低迷する時期もあったが、2018年以降は中継ぎとして新境地を開拓。2020年には32試合で失点はわずかに4、防御率1.19と抜群の安定感を発揮し、翌2021年も38試合で22ホールド、防御率2.72とセットアッパーとして活躍。ブルペンの主軸として、2年連続で優勝争いを繰り広げたチームを支えた。
プロ17年目を迎えた今季は本格的に先発へ再転向し、シーズン初登板となった4月16日の試合では、5回まで相手打線をパーフェクトに抑える圧巻の投球を披露。最終的に6試合の先発を含む8試合で防御率2.37という数字に加えて、与四球率0.71、K/BB10.33と指標面で驚異的な成績を記録。2025年もさらなる復調を示し、先発として輝きを放てるか。
ベテランの復活によって、生じる穴を最小限にとどめられるか
石川歩投手と唐川投手はともにプロとして10年以上のキャリアを持つベテランであり、ともに昨季は復調の兆しを示していた。2025年も同様に先発として試合を作る投球をコンスタントに見せることができれば、前年以上に大きな役割を担う可能性も大いにあることだろう。
先発の中心的存在が抜けたことによって生じたチャンスを生かし、来たる新シーズンに主力投手の座を確保するのはどの投手か。新たな若手の台頭とベテランの復活に期待がかかる2025年の千葉ロッテの先発陣に、来季もぜひ注目してみてはいかがだろうか。
文・望月遼太
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