7年ぶりにルーキーが獲得なるか。パ・リーグ新人王候補3投手の活躍を振り返る｜パ・リーグ.com

7年ぶりにルーキーが獲得なるか。パ・リーグ新人王候補3投手の活躍を振り返る

パ・リーグインサイト

2024.11.25(月) 11:00

北海道日本ハムファイターズ・金村尚真投手、埼玉西武ライオンズ・武内夏暉投手、オリックス・バファローズ古田島成龍投手【写真：球団提供】

　11月26日に「NPB AWARDS 2024 supported by リポビタンD」が開催。個人タイトルを獲得した選手の表彰のほか、新人王受賞選手が発表される。昨季は、投票総数267票のうち241票を集めたオリックス・山下舜平大投手が受賞した。

　パ・リーグでは、6年連続でプロ2年目以降の選手が新人王に輝いている。今季はどの選手が獲得するか。受賞資格を持つ有力候補の3投手を紹介していこう。なお、新人王の資格は以下の通り。

①海外のプロ野球リーグへの参加経験がない
②初めて支配下選手登録されてから5年以内
③前年までの一軍公式戦での打席が60打席以内（打者）
④前年までの一軍公式戦での投球回が30イニング以内（投手）

北海道日本ハム・金村尚真

【2024年シーズン投手成績】
29試合 7勝 6敗 136回 98奪三振防御率2.38 WHIP 1.03

　2022年のドラフト2位で北海道日本ハムに入団した、2年目の金村尚真投手。昨季は新人ながら開幕ローテーション入りを果たし、4月9日にプロ初勝利を挙げるも、右肩の負傷で早々に戦線離脱。4試合で2勝1敗、防御率1.80の成績だった。

　今季は開幕からリリーフとして登板を重ね、6ホールドをマークすると、5月8日からは先発へ転向。先発3試合目から10試合連続でQSを記録するなど、抜群の安定感を見せる。

　特に、8月6日の東北楽天戦では8回を投げ終えた時点で87球無失点と「マダックス」を期待させる快投。9回に1点を失い惜しくも記録達成を逃すも、確かな存在感を示した。

　そして、チームとして6年ぶりに進出したパーソルクライマックスシリーズパファーストステージでは、負ければ敗退となる第2戦で先発マウンドを託された。初回に1死から安打を許しながらも無失点で立ち上がると、2回からは3イニング連続で3者凡退に抑える。5回表、7回表にそれぞれソロ本塁打を浴びたが、6.2回73球4安打無四死球2失点と、初の大舞台で落ち着いた投球を見せた。チームはその後サヨナラ勝利を飾り、ファイナルステージ進出へ弾みをつけた。

埼玉西武・武内夏暉

【2024年シーズン投手成績】
21試合 10勝 6敗 145.1回 107奪三振防御率2.17 WHIP 0.98

　3球団競合の末、國學院大から2023年のドラフト1位で入団した武内夏暉投手は、4月3日のデビュー戦で7回1安打7奪三振無失点と新人離れの好投を披露し、新人一番乗りでプロ初勝利を挙げた。その後も7月4日の福岡ソフトバンク戦まで開幕5連勝を飾るなど、目覚ましい活躍でファンを魅了していく。

　8月3日の東北楽天戦以降白星から遠ざかっていたが、9月16日の千葉ロッテ戦で圧巻の投球を見せた。落ち着いた立ち上がりで凡打の山を築くと、7回まで一人の走者も出さないパーフェクトピッチング。8回に初安打を許したものの、見事プロ初完投・初完封勝利を成し遂げ、球団新人左腕史上最多の8勝目を手にした。

　9月30日の北海道日本ハム戦では、8回3安打無失点で両リーグ新人最速の10勝目をマーク。規定投球回にも到達し、2007年の岸孝之投手（現・東北楽天）以来17年ぶりに、球団の新人で10勝と規定投球回をクリアする快挙を達成した。

　また、防御率2.17はリーグ2位の堂々たる数字。チームメイトの源田壮亮選手（2017年）以来となる、ルーキーでの新人王獲得なるか。

オリックス・古田島成龍

【2024年シーズン投手成績】
50試合 2勝 1敗 26HP 45.2回 43奪三振防御率0.79 WHIP 1.03

　古田島成龍投手は、日本通運から2023年のドラフト6位で入団。即戦力として期待された右腕は、プロ初登板となった4月6日の千葉ロッテ戦から、22試合連続無失点のプロ野球タイ記録を成し遂げた。

　3アウト目を奪った後には気迫全開のガッツポーズを見せ、ファンの間では「古田島優勝」が定着。力強い直球を武器に、新人では2021年の広島・栗林良史投手（53試合、防御率0.86）以来史上2人目、パ・リーグでは初となる「50試合登板＆防御率0点台」に挑んだ。

　50試合登板に到達したのは、9月26日の千葉ロッテ戦。2点リードの8回に登板し、2死3塁のピンチを招きながらも、最後は代打・角中勝也選手を低めのシンカ―で空振りに仕留め、無失点で切り抜けた。

　24ホールドポイントはリーグ4位タイの好成績だ。勝ちパターンの一角を担った新人右腕が、球団2年連続の栄誉を狙う。