【試合戦評】56年ぶりとなる沖縄での試合は1点を争う好ゲームに。三木選手の殊勲打で千葉ロッテ延長戦を制す

パ・リーグ インサイト

2017.6.28(水) 00:00

埼玉西武にとって56年ぶりとなった沖縄での主催試合。昨日は天候に恵まれずノーゲームとなってしまっただけに、沖縄の野球ファンにその勇姿を焼き付けるためにも両チームとも譲れない一戦となる。埼玉西武は沖縄出身の多和田投手が4月25日以来となる先発登板。故郷・沖縄での復帰戦で今季初勝利を目指す。対する千葉ロッテはルーキー・佐々木投手が先発マウンドに上がる。5月25日以来遠ざかる白星を手にするためにも、課題とする立ち上がりをしっかりと投げ切りたい。

初回、埼玉西武の先発・多和田投手は、鈴木選手から三振を奪うなどして千葉ロッテ打線を3者凡退に抑え、上々の立ち上がりを見せる。対する千葉ロッテ・佐々木投手も、得点圏に走者を背負いながらも無失点で切り抜け、両投手とも静かな立ち上がりとなった。

2回裏、佐々木投手が埼玉西武打線を3者連続三振に打ち取る圧巻の投球を見せる。すると直後の3回表、5月7日以来の先発出場となった中村選手が、1死から二塁打。千葉ロッテはこの日初めて得点圏に走者を進める。そして続く伊志嶺選手のゴロの間に進塁し、2死三塁の好機で、2番・加藤選手が「千隼(佐々木投手)が前回東京ドームで悔しい顔をしていたので、今日は何とか勝たせてあげたい」と語る適時三塁打を放ち、千葉ロッテが幸先よく1点を先制する。

4回を両投手が無失点に抑え、千葉ロッテの1点リード迎えた5回裏。佐々木投手の連続四球から1死1,2塁の好機を作ると、9番・金子侑選手が右前へ痛烈な一打を放って、埼玉西武が同点に追い付く。なおも1死1,3塁と好機は続いたが、佐々木投手に代わってマウンドに上がった松永投手が後続を断ち、試合は1対1の同点で後半の攻防に突入する。

直後の6回表、千葉ロッテは先頭の伊志嶺選手の四球などで、2死1,2塁と勝ち越しの好機を迎える。するとこの回途中から登板している武隈投手から、5番・角中選手が左前へ、続くペーニャ選手が右前へそれぞれ適時打を放ち、千葉ロッテが2点の勝ち越しに成功する。

終盤に入り迎えた7回表、埼玉西武の3番手・大石投手がキレのある直球を中心に、千葉ロッテ打線を3者凡退に抑える。直後の7回裏、大石投手の好投に応えるかのように埼玉西武打線が奮起する。まずは、2死から1番・秋山選手が自己最多となる15号ソロを右翼席に運び、点差を1点に縮める。さらに続く源田選手が安打で出塁すると、3番・浅村選手が左翼フェンス直撃の適時二塁打を放ち、この回2点を取った埼玉西武が一気に試合を振り出しに戻す。

8回からは両チームの救援陣が力投を見せる。埼玉西武はシュリッター投手、増田投手と繋いで2イニングスを無失点。対する千葉ロッテも大谷投手、内投手がそれぞれ8回と9回を3者凡退に抑え、試合は同点のまま延長戦に突入する。

10回は両チーム無得点に終わり、迎えた11回表。前の回から続投の牧田投手から、失策と安打で2死2,3塁の好機を演出すると、7番・三木選手が左前に適時打を放ち、千葉ロッテが貴重な勝ち越し点を挙げる。11回裏、マウンドに上がった益田投手は炭谷選手、金子侑選手を連続三振に仕留めると、最後は秋山選手を三ゴロに打ち取り試合終了。4対3で千葉ロッテが勝利した。

延長戦を制した千葉ロッテが今季唯一となった沖縄での試合を白星で飾り、連敗を2で止めた。2イニングスを無失点に抑えた内投手が今季3勝目、11回裏に登板した益田投手は6月2日以来となる8セーブ目を挙げた。一方、救援投手の失点が響いた埼玉西武は2連敗。打線が粘り強く攻撃できているだけに、上位争いに食いとどまるためにも、救援陣の復調に期待がかかる。両チームは共に移動日を挟んで本拠地での3連戦に臨む。沖縄での戦いを終えた両チームのこれからの戦いに注目したい。

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