3連勝のスイープで4年ぶりの日本シリーズ進出! なぜ福岡ソフトバンクは圧倒的に強いのか

パ・リーグ インサイト 後藤万結子

2024.10.18(金) 23:55

福岡ソフトバンクホークス・オスナ投手 ©パーソル パ・リーグTV
福岡ソフトバンクホークス・オスナ投手 ©パーソル パ・リーグTV

 10月18日、福岡ソフトバンクが3対2で北海道日本ハムに勝利し、「2024 パーソル クライマックスシリーズ パ」優勝を果たした。4年ぶりの日本シリーズ進出を決めた福岡ソフトバンクの戦いを振り返り、圧倒的な強さに迫る。

チームの強みが最大限に発揮された3試合

 有原航平投手、伊藤大海投手の最多勝投手のマッチアップとなった第1戦。有原投手は7回2失点の好投で試合をつくると、打線は正木智也選手の適時打で先制する。以降は今宮健太選手、栗原陵矢選手、山川穂高選手の一発攻勢でコンスタントに得点を積み重ね、小久保監督が「過去の経験からも重要だと感じている」としていた初戦を白星で飾った。

 続く第2戦も打線の勢いは止まらず、9月に右足首のケガで離脱した近藤健介選手に待望の一発が生まれると、「どういう状況にあっても自分の仕事を全うしようと思っていた」と話す山川選手に2打席連続弾が飛び出し、球場のボルテージは最高潮に。先発・モイネロ投手は、立ち上がりに苦しんだが、尻上がりに調子を上げると、杉山一樹投手、ヘルナンデス投手が無失点でつなぐ。最終9回表は守護神・オスナ投手が試合を締め、日本シリーズ進出まであと1勝とした。

 平日にもかかわらず早い時間から多くのファンが球場に詰めかけた第3戦は、近藤選手と山川選手の連続適時打で幸先よく2点を先取。一時同点とされるも、「圧倒的に勝ちたいと思います」と前日会見で意気込んでいた周東選手の決勝打で、接戦を制した。3連投となったヘルナンデス投手、オスナ投手は今試合も無失点投球で日本シリーズに向けて良い流れをつくり、福岡は歓喜の渦に包まれた。

 15日の記者会見で選手会長の周東選手が、チームの強みとして「自分のやるべきこと、その状況でやらなければいけないことを全員が理解していますし、選手にそれができる能力があること」を挙げていたが、まさにその強みが最大限に発揮された3試合だったように感じる。

昨季は悩みのタネだった外国人選手の補強が成功。投打で躍動

 今季のパーソル CS パ ファイナルステージでは、ヘルナンデス投手、オスナ投手、ダウンズ選手と外国人選手の活躍が大きく目立った。3連投となった両投手だったが、走者を出す場面がありながらも、要所を締める投球を披露。連投をものともせず、北海道日本ハム打線につけ入る隙を与えなかった。

 また、小久保監督が「シーズン終盤、北海道日本ハム戦で結果を残していた」と、今季8月に加入したダウンズ選手を第2戦「1番・二塁」で先発起用すると、見事采配的中。今季は公式戦7試合の出場にとどまっていたが、第2戦では3打数2安打2四球と起用に応える活躍を見せ、得点のきっかけをつくった。日本シリーズでも、攻守における活躍に注目したい。

4年ぶりの日本一奪還に向けて、小久保監督の次なる手は?

 日本シリーズに向けて、周東選手は「僕たちがやることは一緒だと思いますし、1人1人がやるべきことをもう1回考えながら、いい状態で入れればと思います」と落ち着いた口調で話す。また、レギュラーシーズン最終戦から試合間隔が空くためフェニックスリーグに出場し、調整をおこなっていた山川選手は、「僕自身(日本シリーズの出場は)初めてですし、ちょっとまた期間が空くので、またフェニックスリーグに行かせてもらえないか確認してみます(笑)」と会場の笑いを誘った。

 レギュラーシーズンでは度々勝負強さを発揮しながらも、今シリーズでは出場機会がなかった中村晃選手、柳町達選手の日本シリーズでの活躍にも期待したいところ。また、試合前にファンから「一発に期待したい」という期待の声が寄せられていた柳田悠岐選手の豪快なバッティングも見どころの一つだろう。

 2020年以来、4年ぶりの出場となる日本シリーズは、セ・リーグ出場チームの本拠地で10月26日に幕を開ける。

文・後藤万結子

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