◇埼玉西武対千葉ロッテ 第19回戦(14日・ベルーナドーム)
3日に今季限りでの現役引退を表明した埼玉西武・岡田雅利選手が引退試合に出場。現役最後となる打席で見事二塁打を放ち、本拠地につめかけたファンの前で有終の美を飾った。
引退選手特例で本日昇格し、「2番・捕手」として先発出場した岡田選手。登場曲『それが大事』に合わせたファンの「岡田!」の声を背に、1回裏の第1打席に立った。千葉ロッテ・小島和哉投手の4球目を捉えた打球は三塁線を抜ける。懸命に2塁に到達すると、続く野村大樹選手の右飛では3塁へヘッドスライディング。気迫のこもったプレーで好機を演出した。
2回表が始まる前、ファンの大きな拍手が起こるなかキャッチャーマスクをかぶった岡田選手は、先発・羽田慎之介投手の投球練習のボールを受け、以前の背番号「37」を受け継ぐ柘植世那選手に交代。本塁からベルーナドームの全方向にお辞儀をし、チームメイトと握手を交わしながらベンチに退いた。
岡田選手は2013年ドラフト6位で入団。ルーキーイヤーから22試合に出場すると、以降もスーパーサブとして活躍。重要な局面で代打として犠打を決めるなど、攻守でチームを支えてきた。昨年3月に左膝の手術を行い、昨季は公式戦の出場はなし。それでもリハビリを乗り越え、今季は5月10日の二軍戦で公式戦復帰を果たすと、二軍で計18試合に出場し、17打数5安打、打率.294の成績を残していた。
埼玉西武一筋11年の岡田選手。試合後には引退セレモニーも実施される。
◇岡田選手 通算記録
326試合 648打席 119安打 6本塁打 40打点 0盗塁 打率.219
◇岡田選手 コメント
「先頭のゲン(源田壮亮選手)が出塁すると言って打席に向かい、粘っている姿をみて、その時点で涙が出そうでした。自分が打席に立った時の、球場が割れんばかりの“おかだ”コールは、もう耐えられませんでしたね。絶対に泣かない、と決めていたけどダメでした。
今日は不思議と緊張はなく、大きな歓声をいただいて、それがぼくを『よし、やってやろう!』という気持ちにさせてくれて、ヒットが打てたと思います。最高な気分ですし、打率10割で終えられたのはうれしいです。いまでも1球1球すべて鮮明に覚えていますし、3塁までいけましたが、手術後の僕にはあれが全力でした。
最後のバッテリーが羽田でしたが、ピンチになりながらも1点でしのいで、それ以降は良い投球ができていたと思います。羽田も緊張しながらがんばってくれましたし、将来エースになってほしいと思いました。とにかくいまは感謝の気持ちでいっぱいです」
文・西嶋葵
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