埼玉西武・中村が6戦連続アーチに挑戦。パ・リーグ記録に並び、超えられるか

Full-Count 広尾晃

2018.8.10(金) 15:57

埼玉西武ライオンズ・中村剛也選手【写真:荒川祐史】
埼玉西武ライオンズ・中村剛也選手【写真:荒川祐史】

今季スロースタートも、故障明けの6月から右肩上がり

埼玉西武の中村剛也は8月9日の敵地オリックス戦で、8回に2年目右腕の山本由伸から右越えに17号2ランを放ち、5試合連続本塁打を記録した。

今季の中村は3、4月は打率.145、本塁打0と奮わず。4月21日の千葉ロッテ戦で三遊間のゴロを捕球しようとして左肩を負傷し、翌日に登録を抹消された。5月は全休して6月1日に1軍復帰。この時点では、まだ0本塁打だった。

しかし、6月9日に今季初アーチをかけると同月は3本塁打、7月に入って8本塁打と調子を上げ、8月は9日までに5試合連続アーチを含む6本塁打と手が付けられない勢いとなっている。5試合連続本塁打は中村自身のキャリアハイだ。

【NPBの連続試合本塁打記録】

7試合連続 王貞治(巨人)1972.9.11広島戦-9.20阪神戦(9本塁打)
7試合連続 バース(阪神)1986.6.18ヤクルト戦-6.26巨人戦(7本塁打)
6試合連続 大杉勝男(日拓)1973.10.2ロッテ戦-10.9近鉄戦(6本塁打)
6試合連続 アルトマン(ロッテ)1974.6.13阪急戦-6.23日ハム戦(8本塁打)
6試合連続 土井正博(クラウン)1978.5.14日ハム戦-5.22ロッテ戦(7本塁打)※
6試合連続 デービス(近鉄)1985.8.2南海戦-8.8西武戦(6本塁打)
6試合連続 ランス(広島)1987.6.9大洋戦-6.16ヤクルト戦(8本塁打)
6試合連続 石嶺和彦(阪急)1987.9.2西武戦-9.10近鉄戦(6本塁打)
6試合連続 スチーブンス(近鉄)1995.4.7ロッテ戦-4.13オリックス戦(6本塁打)
6試合連続 カブレラ(西武)2003.9.9ロッテ戦-9.15オリックス戦(6本塁打)
6試合連続 阿部慎之助(巨人)2004.4.9ヤクルト戦-4.16ヤクルト戦(8本塁打)
6試合連続 松中信彦(ダイエー)2004.7.17近鉄戦-7.23ロッテ戦(7本塁打)
6試合連続 新井貴浩(広島)2005.6.22ヤクルト戦-6.28阪神戦(6本塁打)
6試合連続 ゲレーロ(中日)2017.5.28ヤクルト戦-6.3楽天戦(7本塁打)

※土井正博は1試合欠場をはさむ

リーグ屈指の中軸誇る西武で7番を打つ中村

NPB記録とセ・リーグ記録は、王貞治とバースの7試合連続。バースはこの期間中に13試合連続打点のNPB記録も作っている。

パ・リーグ記録は大杉勝男を含む8人が記録している6試合連続本塁打で、中村剛也はあと1試合でパ・リーグ記録に並ぶ。

しかし、この記録は非常に難易度が高い。NPBでは断トツの868本塁打を打った王貞治でも、1972年に7試合連続本塁打を記録するまでは、5試合以上の連続本塁打は1970年に1度記録しただけ。

本塁打者が絶好調になれば、相手投手は勝負を避けるようになるため好球が少なくなるのだ。2016年5月には当時北海道日本ハムの大谷翔平も5試合連続本塁打を記録しているが、6試合目は3打数1安打1四球に終わった。

ただ今季の埼玉西武は3番・浅村栄斗(22本塁打、打率.311)、4番・山川穂高(29本塁打、打率.279)、5番・森友哉(13本塁打、打率.297)とリーグ屈指の強力な中軸を誇る。

中村剛也は現時点では7番打者であり、規定打席にも達していない。各球団のマークはそれほど強くはないと言えそうだ。分厚い中軸との対戦を乗り越えた相手投手に、下位に座ったおかわり君が強烈な一発をお見舞いするというパターンができているのだ。

埼玉西武は8月10日から敵地に乗り込み、後半戦好調な東北楽天との3連戦に臨む。中村はパ・リーグ記録、NPB記録にどこまで迫ることができるだろうか。

記事提供:Full-Count

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