6月19日をもって、「日本生命セ・パ交流戦」の全日程が終了。2005年に開始され、今年で13回目となった交流戦におけるパ・リーグの今季の対戦成績は56勝51敗1分。8年連続でセ・リーグに勝ち越しを決めた。ここでは、パ・リーグ6球団それぞれの18試合を簡単に振り返っていきたい。
【2017年度 日本生命セ・パ交流戦最終順位表】
1位:福岡ソフトバンク 12勝6敗0分
2位:広島 12勝6敗0分
3位:埼玉西武 10勝7敗1分
4位:阪神 10勝8敗0分
5位:楽天 10勝8敗0分
6位:オリックス 10勝8敗0分
7位:横浜DeNA 9勝9敗0分
8位:中日 9勝9敗0分
9位:北海道日本ハム 8勝10敗0分
10位:巨人 6勝12敗0分
11位:千葉ロッテ 6勝12敗0分
12位:東京ヤクルト 5勝12敗1分
【北海道日本ハム】18試合8勝10敗0分
交流戦初戦の横浜DeNA戦では完封負けを喫したが、5月31日から6月2日にかけて、斎藤佑投手、中村勝投手が2年ぶりの白星を手にし、玉井投手がプロ初勝利を挙げるなど、メモリアルな試合が続いた。
4カード目の巨人戦の3戦目では、奇しくも元巨人の村田投手が日本で待望のプロ初勝利となり、大田選手が一発を放った。残念ながら交流戦で勝ち越しとはならなかったものの、後半戦に向けて充分収穫のある18試合だったと言えるだろう。
【楽天】18試合10勝8敗0分
中日戦で今季初の完封負けを喫し、3連敗も経験。しかし、6月8日の横浜DeNA戦で、則本投手がメジャーリーグ記録に並ぶ8試合連続2桁奪三振の快挙を達成。6月16日の阪神戦では、黄金ルーキー・藤平投手がプロ初登板を果たし、5回2失点の力投を披露した。
則本投手、岸投手とともに先発3本柱を形成する美馬投手は、交流戦3位となる防御率1.23を誇り、セ・リーグ首位の広島戦でも8回1失点の好投を見せた。現在は首位を走っているが、2位の福岡ソフトバンクと3位の埼玉西武が交流戦で勢いに乗り、すぐ後ろまで迫ってきている。リーグ戦再開後の首位争いは過酷なものになりそうだ。
【埼玉西武】18試合10勝7敗1分
交流戦最初の広島とのカードは結果的に負け越したものの、3戦目では先発の十亀投手が6回2失点の好投を披露し、翌日の東京ヤクルト戦ではエース・菊池投手が投手戦を制した。さらに2戦目では佐野投手が8安打を浴びながら6回2失点に抑え、打線が12安打11得点の猛攻。投打が噛み合い、引き分けを挟んで6連勝を果たした。
試合終盤で逆転を果たす打線の粘り強さと、牧田投手、シュリッター投手、増田投手からなる「勝利の方程式」の鉄壁ぶりが光る。6月7日の巨人戦では、先発の岡本投手が2年ぶりの勝利投手にもなった。交流戦優勝は惜しくも逃してしまったが、2008年以来の栄光に向けて、リーグ1位の楽天と2位の福岡ソフトバンクを射程圏に捉えている。
【千葉ロッテ】18試合6勝12敗0分
なかなかカード勝ち越しが叶わず、交流戦で浮上のきっかけをつかむことはできなかった千葉ロッテ。しかしシーズン途中から加入したサントス選手が、5月31日の阪神戦で一軍デビューし、翌6月1日に早速来日初安打を放つ。続く2日の広島戦ではマルチ安打を記録し、9日の東京ヤクルト戦では4安打でお立ち台に上がるなど、存在感を示した。6月18日現在、サントス選手は.339という高打率をマークし、切り込み隊長として素晴らしい結果を残している。
さらに交流戦期間中の6月6日、ペーニャ選手の加入が決定。ペーニャ選手は、2012年と2013年は福岡ソフトバンクで、2014年はオリックスで、2015年は楽天でのプレー経験があり、日本球界には慣れている。そのため、チームに早く馴染むことが予想される。1本でも多くの豪快アーチはもちろん、4年間で71本塁打をマークした大砲の存在による打線への好影響にも期待したい。
【オリックス】18試合10勝8敗0分
交流戦初戦の5月30日から6連勝を決め、交流戦前には一つ上のリーグ4位につけていた北海道日本ハムを抜き去った。その快進撃の中で一際存在感を発揮したのがロメロ選手だ。6月7日の阪神戦ではサヨナラ打を放ち、6月9日の中日戦では、マレーロ選手の本塁踏み忘れによる本塁打取り消しという珍事が発生したが、その日もチームはロメロ選手の一発でサヨナラ勝利を決めている。
強気の投球を身上とするルーキー・黒木投手は勝ちパターンとして定着。6月2日の巨人戦では10回裏に登板して3者凡退に抑え、自身2勝目を挙げた。選手会長のT-岡田選手は、チームが最下位に沈んだ昨季の悔しさを晴らすかのように早くも16本塁打を放ち、本塁打王争いに名乗りを上げている。この勢いのままAクラス争いに加われるか。
【福岡ソフトバンク】18試合12勝6敗0分
交流戦通算でセ・リーグチームすべてに勝ち越し、2015年から2年連続で交流戦勝率1位に輝いているだけあって、4カード連続勝ち越しを決めるなどさすがの強さを発揮し、見事3連覇を成し遂げた福岡ソフトバンク。投打で離脱者が相次いでいるが、東浜投手、バンデンハーク投手をはじめとする先発陣が奮闘している。
5月31日の中日戦では、育成契約から支配下登録された石川投手がプロ初勝利。6月11日の阪神戦では山田投手が今季初登板初勝利を挙げた。打線の軸である柳田選手の打棒も好調で、現在リーグトップの55打点を挙げ、リーグ4位となる15本塁打を放っている。チームは楽天との差を1.5とし、虎視眈々と王座奪還を狙っている。
以上、今季の交流戦におけるパ・リーグ6球団の試合を簡単に振り返った。さすがの強さを見せ付けて、リーグ優勝に向けて弾みを付けられたチームもあれば、状態が上向かず苦しい戦いを強いられたチームもあった。6月20日からの予備日消化を挟み、同一リーグ同士でのペナントレースが再開する。前半戦も終盤に差し掛かり、厳しさが増していく戦いに注目していきたい。
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