パーソル パ・リーグTV公式YouTubeチャンネルにて、新番組「P's UPDATE」がスタート。8月31日(土)より、第1回が配信されている。本番組は、アップデートし続ける野球界の常識を、データ用いて有識者と議論し、野球観戦をより楽しいものにしていくことがコンセプト。上重聡アナウンサーとゲストOB・西岡剛さんとともにお届けしていく。
第1回のテーマは「激論! シン・野球学〜最強打順考察〜」。江戸川大学客員教授で、セイバーメトリクス研究の第一人者である鳥越規央教授をゲストに迎え、昨今話題になっている「2番最強打者説」について、議論を展開。鳥越教授の研究データを用いつつ、日米で活躍した西岡さんの経験談も交えながら、最適打順を深掘りしていく。
最強打者の指標「OPS」について考える
メジャーリーグをはじめとし、強打者を示す指標として、近年一番わかりやすいものとされている「OPS」。OPSとは「出塁率+長打率」で算出される指標で、鳥越教授は「打者を1つの軸で評価するときに作られたものがOPS。統計学では、OPSが得点との相関が強いとされている」と説明している。
近年急速にOPSというワードが普及してきたように思えるが、西岡さんは、プロに入った時からOPSを認識していたという。しかしその一方で、「タイトルを取りにいくために、出塁率よりも打率に意識がいっていた。経験を積んで、『打率よりも出塁率の方がチームにとってはプラスなんだ』と気づき、ベクトルを変えた」と現役当時を振り返り、得点につなげるために、いかに出塁率が重要であるかを示した。
また、統計上、1番打者は1シーズン675打席回ってくるとされるが、4番打者に回ってくるのは627打席。このように、1番・2番打者はシーズンを通しての打席数が圧倒的に多いことから、OPSが高い打者を2番に据えることで、得点につながりやすくなると考えられている。
これに対して、現役時代は1番・2番に座ることが多かった西岡さんならではの意見を展開。また、現在は独立リーグの監督を務める西岡さんは、データに加えて、“あること”を加味して、打順を決定しているのだとかーー。ぜひ、公開中の動画でご覧いただきたい。
データには思い込みを排除する効果も
さらに、「データは選手個人の思い込みを排除する効果もある」と鳥越教授。「自分はコントロールが悪い」と思い込んでいた投手に、実際はストライクとボールの割合は平均より良い数値であり、決してコントロールが悪いわけではないということを、データを用いて提示したところ、思い込みから解放された例もあるのだとか。さまざまなデータを活用して、より科学的に、効率的にという考えが浸透してきているなかで、データを正しく理解し、どう活用するかが非常に大事になってきそうだ。
そして最後に、西岡さんは「オフに外国に行って、自分自身のデータをチェックする選手が増えてきているが、コーチ陣がデータを勉強できていないと、会話はつながらない。そこを重要視しないと、これからの指導者は難しくなってくる」と、データを学び、理解する重要性についてあらためて提言し、番組を締めくくった。
アップデートし続ける野球界の常識を、データとともに深掘りしていくことで、野球観戦がさらに楽しくなるはずだ。近日配信予定の第2回もお見逃しなく!
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