鷹の新切り込み隊長・福田秀平選手の「エースキラー」ぶりが示すものとは?

2016.4.28(木) 00:00 パ・リーグ インサイト

「エースキラー」。その名を聞くと、M78星雲からやってきたヒーローの敵役、あるいは「豊玉高校の南」という名前を思い浮かべる人が多いだろう。意味合いは違えども、どちらもいわゆる相手の「エース攻略」という点では一致する。

野球における「エース攻略」も、チームの勝利のために必須。エースを攻略しての勝利に貢献できたのであれば、ファンだけでなく、当然首脳陣からの印象も強くなり、ここぞで頼れる存在ともなりうる。

パ・リーグで今、それに最も近いと言えるのが、福岡ソフトバンク・福田秀平選手だ。

福田選手は今季、28日まで計20試合に出場してリーグ16位の打率.292。盗塁も6回試みていずれも成功し、前年盗塁王の北海道日本ハム・中島卓也選手や、千葉ロッテ・角中勝也選手らと並んでリーグ2位タイ(トップは北海道日本ハム・西川遥輝選手の7個)。参考記録ながら連続盗塁成功32の「日本記録」保持者でもある福田選手の脚力が存分に生かされる形となっている。

福田選手と各チーム主力投手との対戦成績は下記の通り。チームを代表する投手たちから複数安打以上を記録している。北海道日本ハム・大谷翔平選手からは1安打であるものの、先日24日の試合ではヤフオクドームのライトスタンド中段へ運ぶ、豪快な一発を放ってチームの逆転勝利へ向けて勢いを付けた。ちなみに、今季本塁打は2本だが、オリックス・金子千尋投手、そして大谷選手という「エース」から放ったものだ。

【福田選手の2016年対主力級投手対戦打率】
楽天・則本昂大投手 → 6打数2安打
千葉ロッテ・石川歩投手 → 3打数2安打
千葉ロッテ・涌井秀章投手 → 4打数2安打
オリックス・金子千尋投手 → 3打数2安打(1本塁打)
埼玉西武・牧田和久投手 → 2打数2安打
埼玉西武・野上亮磨投手 → 4打数2安打
北海道日本ハム・大谷翔平選手 → 5打数1安打(1本塁打)


ちなみに、福田選手と現在盗塁王を争っている千葉ロッテ・角中選手、北海道日本ハム・中島卓選手にも、レギュラーに定着するブレイク前に「エースキラー」ぶりを発揮していた時期がある。

角中選手は首位打者を獲得する前年の2011年に計51試合出場。その中で171回打席に立ち、計41安打を放ったが、田中将大投手(当時楽天)から6打数3安打、ダルビッシュ有投手(当時北海道日本ハム)から3打数2安打を記録していた。チームはその年最下位に沈んだものの、各球団のエース級投手から安打を重ねる「エースキラー」ぶりを発揮し、翌年の大ブレイクにつながっていった。

【角中選手の2011年対主力級投手対戦打率】
オリックス・西勇輝投手 → 10打数4安打
埼玉西武・西口文也投手 → 9打数3安打
福岡ソフトバンク・杉内俊哉投手 → 6打数3安打
楽天・田中将大投手 → 6打数3安打
北海道日本ハム・ダルビッシュ有投手 → 3打数2安打


もはやチームに欠かせない存在となった中島卓選手も、守備を中心に出場機会を増やし、夏場からレギュラーとして定着し始めた2013年、24勝0敗1セーブという文字通り「難攻不落」だった田中投手から13打数6安打。計127試合に出場して272回の打席数という規定打席に150打席以上不足する打席数ながら、主力級投手から安打を重ねる実績を残した。その後2014年には内野のレギュラーとして定着し、2015年には盗塁王のタイトルを獲得するまでになった。

【中島卓選手の2013年対主力級投手対戦打率】
楽天・田中将大投手 → 13打数6安打
埼玉西武・十亀剣投手 → 15打数5安打
オリックス・金子千尋投手 → 6打数2安打
楽天・則本昂大投手 → 5打数2安打


福田選手はすでに「エースキラー」としての活躍だけでなく、チームを勢いづける活躍を見せている。「エースキラー」襲名を機に地位を確立していった2選手とは、やや置かれた状況が異なるかもしれない。とはいえ、「エースキラー」という箔が付くことで、さらなる活躍、注目のきっかけとなることは間違いないだろう。そして、角中選手や中島卓選手のような、将来的なタイトル獲得の「フラグ」となるか。これからの福田選手の活躍に注目したい。

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