「いつも変わらず、毎打席結果を出すことを考えて打席に立っています」。
千葉ロッテの平沢大河選手は、一軍レギュラーに手が届きそうなポジションにいる。
プロ2年目の昨季は、鈴木大地選手の二塁コンバートにより、三木亮選手、中村奨吾選手らと遊撃のポジションを争った平沢選手。レギュラー最有力候補として期待されていたが、50試合に出場して打率.176、1本塁打3打点という成績に終わり、定位置確保はならなかった。
10月に行われたドラフト会議で、社会人ナンバー1遊撃手といわれた藤岡裕大選手が指名され、さらにポジションを争うライバルが増える。平沢選手は今年1月の自主トレで、藤岡裕選手について「ライバルだと思っていますけど、去年も競争はあった。引き続きアピールできるようにと思っています」と語った。
だが、2018年の練習試合、オープン戦が始まってから、先発で起用されたのは藤岡裕選手。平沢選手もオープン戦打率.313と猛アピールしたが、開幕スタメンに名を連ねたのも年上のルーキーだった。
コンバート、出塁の意識で進化する20歳
2018年は開幕からベンチスタートが続いていた平沢選手だが、首脳陣の指示で外野に挑戦。結果的にはこれが出場機会の幅を広げるとともに、自身のチャンスを増やすことに。
『9番・右翼』で出場した6月17日の巨人戦では、3打席目まで無安打だったが、1対1の9回裏の好機でカミネロ投手が投じた2球目の変化球を振り抜き、右前にうれしいプロ初のサヨナラ打。この日を境にスタメン出場が増え、その後も多くの試合でスタメン出場を果たしている。
平沢選手は「後ろに良いバッターがいますし、打てなくてもできることはあると思っているので、そこは大事にしています」と、出塁することにこだわっているという。
6月27日の楽天戦では、5回の第2打席、エース・則本昂大投手に2ストライクと簡単に追い込まれたが、4球目、5球目、6球目の低めの誘い球に手を出さず、ファウルを挟んで8球目、低めの変化球をきっちりと見極めて出塁するということもあった。
「ボール球は振らないことは意識していますし、甘いボールだけ打つことを意識しています」。打率は.216だが、四球の数が多く、出塁率は.352と、打率よりも1割以上高い数字を残している。
少ないチャンスをつかんだ年、まずは外野のレギュラー定着を目指す
打順も9番での出場が多かったが、不動のリードオフマン・荻野貴司選手が『右手第二指基節骨骨折』で離脱してからは、それまで2番を打っていた藤岡裕選手が1番となったため、2番で出場する機会が増えた。
振り返れば、出場機会が限られていた5月、平沢選手は「良いときもあれば、悪いときもありますが、準備して少ないチャンスで頑張るだけです」と黙々と“準備"を続けてきた。その姿勢がサヨナラ安打、スタメン出場のチャンスをつかむことにつながったのだ。
本来希望する遊撃のポジションではないが、まずは目の前に転がっている右翼のレギュラーポジションを奪い取り、そこから定着への勝負をかけていきたい。
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