移籍組がブルペンを支える。規定到達は小島和哉のみと先発の離脱で苦しんだ1年【千葉ロッテマリーンズ2023:投手編】

パ・リーグ インサイト

2023.12.26(火) 18:00

千葉ロッテマリーンズ・小島和哉投手(左)西村天裕投手(中央)坂本光士郎投手(右)【写真:球団提供】
千葉ロッテマリーンズ・小島和哉投手(左)西村天裕投手(中央)坂本光士郎投手(右)【写真:球団提供】

 70勝68敗5分で2位につけた千葉ロッテ。負けたら4位転落の状況で迎えた2023シーズン最終戦、4位・東北楽天を相手に勝利を収め、3位・福岡ソフトバンクと「0」差でシーズンを終えた。

 本記事では、投手編、野手編に分け、千葉ロッテの2023シーズンを振り返っていく。

規定投球回到達は1名。チーム防御率リーグ5位と苦戦した投手陣

 今季は先発陣の離脱が多く、規定投球回に到達したのは小島和哉投手のみ。それでも、種市篤暉投手、西野勇士投手、メルセデス投手が100イニング以上を投げ、美馬学投手、佐々木朗希投手も90イニング以上を消化した。離脱が短期的だったこともあり、苦しみながらも運用はできていた。

 一方のリリーフは、益田直也投手がリーグ3位の58試合に登板、ペルドモ投手、坂本光士郎投手も50試合登板に到達。開幕前にトレードで移籍してきた西村天裕投手も好成績を残している。結果的にはリーグ5位の防御率3.40、完投はわずかに1となったが、新戦力の躍動、手術明けの投手も活躍するなど、明るい話題も多かった。

3年連続規定到達。チームを支える左のスターター

 小島投手は3年連続の規定投球回に到達した。昨季は防御率3.14も援護に恵まれず3勝にとどまったが、今季は25試合の登板で10勝をマーク。防御率こそ3.47と数字を落としたが、リーグ4位の158.1回を投げ、QS率は64%と、シーズンを通して先発投手の役割を果たした。

種市篤暉が右肘手術から復帰。自身初の2桁勝利と躍進

 2020年9月に右肘の内側側副靭帯再建手術を受けた種市投手。昨季4月の二軍戦で実戦復帰、8月に一軍へ復帰も、1試合のみの登板に終わっていた。今季は開幕ローテーション入りすると、4月9日に988日ぶりに一軍で白星をマーク。5月16日には、9回3安打2四球9奪三振1失点(完投は記録されず)を投げ、完全復活を印象付けた。

 前半戦で6勝と存在感を示し、自身初のオールスターに監督推薦で出場。後半戦に入ると4試合連続で勝利投手となり、自身初の2桁勝利を達成した。9月末に右肘の炎症で抹消されたが、パーソル CS パで復帰を果たしている。

 最終的には23試合で10勝7敗、136.2回を投げて防御率3.42の成績。奪三振率10.34と手術前と変わらぬ姿を見せ、リーグ2位の157奪三振を記録した。

「令和の怪物」は前半戦で大暴れも、後半戦は3登板にとどまる

 千葉ロッテを語る上で欠かせない存在といえば、佐々木朗希投手。今季は開幕前のWBCに出場。侍ジャパンでも先発投手として2試合に登板し、世界一に輝いた。開幕後は4月6日に今季初登板。6回1安打11奪三振無失点と好投すると、以降も自慢の速球とフォークで奪三振を量産していく。

 4月は4試合に登板して3勝0敗、27回を投げて38奪三振、防御率1.00の成績で、3月、4月度の月間MVPを受賞。その後も好投を続け、2年連続ファン投票でオールスターに出場した。

 後半戦は、オールスターから中4日で先発。6回まで93球、4安打1四球9奪三振1失点と好投したが、6回途中から左脇腹に違和感を覚え、この回限りで降板した。左脇腹が肉離れを起こし、戦線を離脱してしまった。

西野勇士、メルセデスらも先発で奮闘

 今季から先発に再転向した西野勇士投手は、開幕4試合目で約3年半ぶりに先発登板。1305日ぶりとなる先発勝利を挙げると、4月の3登板で3勝をマークした。5月20日に完投勝利をマークするなど、前半戦は防御率2.53で6勝を挙げたが、右肩違和感で7月12日に登録抹消。同22日に復帰するも、間隔を空けての登板が続き、18試合で8勝5敗、防御率2.69の成績でシーズンを終えた。

 巨人から移籍してきたメルセデス投手は、6月末時点で防御率2.51も、7月以降は中盤に打ち込まれることが多くなり、1勝しか挙げられず。22試合で116.1回を投げ、防御率3.33と一定の成績を残したが、QS率45%と課題が残った。

トレード組がフル回転。新天地でリリーフとして躍動

 昨季59試合に登板した東條大樹投手、44試合に登板した小野郁投手が離脱したリリーフ陣。トレードで入団した坂本光士郎投手、西村天裕投手がその穴を埋める働きを見せた。

 昨季途中に東京ヤクルトから移籍してきた坂本投手。今季はチーム3位の51試合に登板し、貴重な左のリリーバーとしてブルペンを支えた。7月3日に調整で抹消されたが、同15日に再登録。特に9月は10試合で防御率1.08と圧巻の投球を見せた。

 西村投手は、開幕前に北海道日本ハムとのトレードで入団した。開幕一軍入りは逃したが、4月2日に一軍登録されると、21試合連続無失点を記録。圧倒的な投球で勝ちパターン入りを果たし、新天地で躍動した。9月3日に左脇腹の肉離れで抹消されるも10月に復帰。44試合で14ホールド、防御率1.25と、キャリアハイの成績を残した。

ペルドモが最優秀中継ぎに。益田直也はリーグ2位の36セーブを記録

 新外国人のペルドモ投手は、開幕からセットアッパーとして躍動。4月18日から5月18日まで、球団タイ記録の12試合連続ホールドをマークするなど、安定した投球を見せた。シーズンを通して大きく崩れることなく、53試合で1勝3敗、防御率2.13、41ホールド(球団タイ記録)で「最優秀中継ぎ」のタイトルを獲得。欠かせない戦力として来日1年目を終えた。

 抑えとして長年チームを支えている守護神・益田直也投手。6月16日に史上10人目となる通算200セーブを達成した。後半戦では苦しむ場面も見られ、最終的にはチームトップの58試合に登板して2勝5敗13ホールド、防御率3.71の成績。それでもセーブ機会では役割を果たし、リーグ2位の36セーブをマークした。

吉井理人監督2年目の来季。盤石な投手運用で悲願の優勝へ

 今季は、さまざまな投手のリリーフ起用が目立った千葉ロッテ。東妻勇輔投手が36試合登板で防御率2.91と一定の成績を残し、横山陸人投手は防御率5点台と苦しみながらも38登板と確かな経験を積んだ。

 ほかにも澤村拓一投手が34試合、岩下大輝投手が27試合に登板。シーズン途中に支配下登録された澤田圭佑投手は17試合で防御率1.08と、早くも来季の投手運用が楽しみな千葉ロッテ。

 だが、これだけの投手がリリーフ登板しているのは、先発が長いイニングを投げられていないことの裏返しでもある。故障や発熱による抹消など不運な面もあったが、来季は先発陣をそろえ、悲願の優勝へひた走りたい。

文・東海林諒平

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