「克服しなければエースになれない」―抹消の埼玉西武今井達也に辻監督が期待するもの

Full-Count 岩国誠

2018.7.10(火) 19:19

埼玉西武ライオンズ・今井達也投手(C)PLM
埼玉西武ライオンズ・今井達也投手(C)PLM

千葉ロッテ井上にまたも本塁打浴びる、初勝利後の3試合すべてで被弾

9日の千葉ロッテ戦で1回2/3を投げ5失点で降板していた埼玉西武・今井達也投手が出場登録を抹消された。今季4試合に登板。デビュー戦でプロ初勝利をあげたものの以降の3試合全てで本塁打を浴びるなど勝ち星が伸びず、1勝2敗、防7.94の成績だった。

試合終了直後。5点差を逆転し、意気揚々と引き上げるナインの中、悔しさをかみしめるようにうつむき加減でベンチを後にする青年がひとり――。プロ4試合目の先発で1回2/3、5失点で降板した背番号11・今井達也だ。

「ここ2試合、結果が良くない中でどういう投球をするのか」と、辻監督も投球内容に注目する中で迎えたプロ4試合目のマウンドは、初回、1死一、二塁のピンチを招き、6月23日、雨中のZOZOマリンスタジアムで逆転満塁弾を浴びた井上を打席に迎えた。

「インコースを攻めたのはいいが、初球は引っかかって逆球でボール。2球目は(インコースを狙ったが)甘くなっての3ラン。やはりインコースをつかないと抑えられない」と辻監督が振り返った井上の3ランで、相手に先制点を許した。「立ち上がりでまだまだ制球が伴っていない中で、不用意だったかな。攻め時の判断は難しいけど、結果的には酷だったのかなという気がする」と指揮官は語った。

登録抹消を決断した辻監督「本人にもモヤモヤしたものがあると思うので」

「ボール自体は悪くなかったのですが、四死球を多く出してしまい、打者と勝負することができなかった。早い回でマウンドを降りることになり、申し訳ない気持ちです」と今井。「当初は考えていなかったが、本人にもモヤモヤしたものがあると思うので」。辻監督は試合後、いったん1軍登録を抹消することに決めた。

初登板では、落ち着き払った投球で初勝利を飾ったものの、2戦目以降、本塁打を打たれての3連続KOに「まだ20歳の人間がこれだけホームランを打たれて、怖さが出るのは当たり前。それを克服していかなければエースにはなれない」と、指揮官は“未来のエース"が自らの力で這い上がってくれることを望んだ。

その思いに応えるように「しっかりストライクゾーンで勝負できるように一からやり直したい」という今井を、80年代の黄金時代を支えたエース・渡辺久信シニアディレクターは「次だ!」と激励した。

「ボールはいい」と指揮官も土肥コーチも能力の高さを認めている。偉大な先人たちも通過してきた道のりを歩み始めた2016年夏の甲子園優勝投手が、悔しさを糧に自らの力で這い上がり、また大きくなった姿で1軍のマウンドに帰ってくることに期待したい。

記事提供:Full-Count

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