【試合戦評】8回の男、ルーキー・黒木投手がプロ初勝利。オリックスが連敗を6で止める。

パ・リーグ インサイト

2017.5.16(火) 00:00

今日から、オリックスと福岡ソフトバンクの3連戦が開催される。初戦の先発は、ちょうど1週間前と同じ組み合わせで、オリックスは金子千尋投手、福岡ソフトバンクは千賀投手だ。先週は千賀投手が13奪三振の好投で勝利を収めたが、金子千尋投手はその悔しさを晴らすことができるか。また、両投手は今シーズン既にリーグトップの5勝を挙げている。ハーラートップの6勝目を挙げるのはどちらの投手か、ここにも注目は集まるだろう。

両軍ともに好投手の先発で、投手戦が予想された。しかし、福岡ソフトバンクは初回からアクシデントに見舞われる。千賀投手が、2死までを奪ったところで背中に違和感を覚えて降板。マウンドには石川投手が上がることとなった。石川投手は1球で中島選手を邪飛に打ち取り、緊急登板ながら初回を難なく抑えた。

一方の金子千尋投手は、持ち味を発揮した投球で、福岡ソフトバンク打線を寄せ付けない。開幕からの好調なピッチングそのまま、毎回走者を背負いながらも要所をきっちり締めて、強力福岡ソフトバンク打線を抑えていく。

試合が動いたのは4回裏。1死から5番・小谷野選手が安打で出塁すると、続くモレル選手が四球を選んで1,2塁の好機。ここで打席が回ってきた金子千尋投手の女房役、伊藤選手が、外角低めのチェンジアップを中前に運ぶ先制適時打。「とにかく気持ちで打ちました!ランナーを返すことができて良かった」と、好投するエースに貴重な援護点をプレゼントした。

しかし、5回表、先頭の松田選手が6号ソロ。すぐさま試合は振り出しに戻る。

その裏、2死から2番・駿太選手が安打を放ち、中島選手が低めのチェンジアップを上手く拾い、勝ち越しの適時二塁打。オリックスがもう一度リードを奪うが、6回表、6番・中村晃選手が安打を放ち、続く松田選手が四球を選ぶ。そして8番・上林選手が右翼への同点適時二塁打。スコアは2対2となり、取っては取られの緊迫した展開で試合は進んでいく。

6回裏以降は両軍ともに好機を作りながら得点できない展開が続き、試合がもう一度動いたのは8回裏だった。先頭のモレル選手が、ど真ん中の直球を弾き返して二塁打とすると、続く伊藤選手が犠打を成功させ、1死3塁の好機を演出する。ここで打席に立った大城選手が犠飛を決め、勝ち越しの走者が本塁に生還した。

最終回には守護神・平野投手が上がる。川崎選手の二塁打でピンチを背負いながらも、続く今宮選手、柳田選手を得意のフォークで抑え、わずか1点のリードを守り切った。

3対2で福岡ソフトバンクに勝利し、連敗を6で止めたオリックス。8回表に登板したルーキー・黒木投手は、嬉しいプロ初勝利となった。黒木投手は立正大学からドラフト2位指名を受け、オリックスに入団。背番号の「54」は千葉ロッテで活躍した「ジョニー黒木氏」の影響も受けているという。今シーズンは15試合に登板し、わずか1失点。チームでは8回を任されている。

今日の試合は22歳・黒木投手、23歳・大城選手の若い力が目立った。その影にはエース・金子千尋投手の好投、ベテランの中島選手の適時打もあった。ベテランと若手の融合が、オリックスを更なる高みに導いていくことになるだろう。

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