投打かみ合う楽天、盤石の勝利で首位固め

パ・リーグ インサイト

2017.5.14(日) 00:00

近づいてきたチームを、一発攻勢で圧倒した。首位の楽天が2位の福岡ソフトバンクに快勝。初回にウィーラー選手のソロで先制すると、5回に茂木選手、銀次選手にそれぞれ本塁打が飛び出して点差を広げると、先発の岸投手が7回1失点と試合をつくり、投打噛み合っての白星となった。この日まで5連勝と波に乗り、勝てば0.5ゲームに迫られる福岡ソフトバンクを、再び突き放した。

5回無死満塁、茂木選手の振り抜いた打球は、左中間フェンスのてっぺんに当たってスタンドへ入った。昨年の7本塁打を超える8号は「野球人生でも初めてなくらい、記憶のないホームラン」という、グランドスラム。「先輩方が最高の場面で回してくれた。岸さんも素晴らしい投球をしていましたし、追加点が欲しい場面。甘い球を絞って自分のスイングをしようと思った」。好調を支える楽天の切り込み隊長は、満面の笑顔で振り返った。

先発の岸投手は制球、リズムとも安定し、大量リードしても気を抜くことなく0を積み重ねていく。7回に犠飛で1点を失ったが、先発としての役割をしっかり果たし、3勝目を挙げた。

2番から4番まで外国人選手を並べるラインナップが話題となった今季の楽天。だが、前後を担う日本人選手の存在も大きい。1番の茂木選手、5番の銀次選手、7番の島内選手、8番の岡島選手がここまで固定され、各自が3割前後の打率をマーク。3、4番の外国人選手の打率が高くなくても、この4人が好調なことで、相手投手の脅威となっている。2013年の優勝を知る銀次選手、島内選手、岡島選手に、2年目の茂木選手が加わり、一気に厚みが増した印象だ。今季ここまで連敗は1度。大きな連勝がなくても、首位を快走できる要因がここにある。

この日は母の日。ヒーローインタビューで茂木選手は「いつも心配ばかりかけている。元気でプレーしている姿を、テレビで見てくれていると思います」と感謝を述べた。さらにお母さんへのメッセージを要求されると「恥ずかしいですね…」と照れ笑いしながら「いつもありがとうございます。これからも元気で頑張ります」と語り、福岡のファンからも温かい拍手が送られた。

楽天の生え抜き選手で、2桁本塁打を達成した選手はいない。これが、毎年、チームの課題ともされてきた。この日の8号で、早くも昨年の7本を超えた茂木選手。梨田監督が「20本は打てる」と期待する通り、10本は時間の問題だろう。そのアーチ一本一本で、これからもチームに白星をもたらしていく。

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