ハム宮西、通算ホールドでG山口に並ぶ
■日本ハム 5-2 オリックス(30日・札幌ドーム)
北海道日本ハムの宮西尚生投手が30日のオリックス戦(札幌ドーム)で通算ホールド数を273とし、日本記録を持つ巨人・山口鉄也に並んだ。
10年連続50試合以上登板しているタフネス左腕がつかんだ日本記録。入団1年目から宮西を見ている吉井理人投手コーチが、鉄腕のすごさを語った。
(1)体の強さ
「まず体が強いですよね。プロ野球選手は、技術よりも体が強いことが大事。体の強さというのは、いつも健康であるということ。彼は1年通して安定しています。回復力もありますね、肩も体も。きっと内臓が強いんでしょう」
(2)メンタルの強さ
「落ち込んでいる姿を見たことがありません。心臓に毛が生えている部分に加えて、繊細な、したたかさもありますね。自分の投球プランというものをしっかり持っています」
吉井コーチが挙げる象徴的な試合「本当にすごいピッチャー」
(3)洞察力
「誰と勝負するのか、しないのか。その判断は根っからのしたたかなリリーバーだなと思います。普通は怒られるから四球を嫌うけれど、平気で歩かせて、次のバッターと勝負する。フルカウントからボール球を投げる勇気も持っています。一昨年の日本シリーズでも広島の丸との対戦で最後にボール球を振らせましたよね(※注1)。ああいう洞察力は、年数を重ねて身につけたものでしょうが、誰にでもできるものではありません。本当にすごいピッチャーだと思います」
一方、自身も同じリリーフ左腕だった高橋憲幸コーチは「ここがいい」と頭を指差した。「状況を見て、空気を読める。スイッチのオンとオフが上手。それは何年もやってつくりあげたもの」と長年活躍を続ける要因を指摘する。
ブルペン担当だけに、試合中は宮西はじめリリーフ陣と一緒に過ごす。試合の状況を見守り、準備をする中で宮西が若手に与える影響を日々、目にしている。「若手に言葉を発していろいろ伝えている場面も見かけるし、背中で見せているところも感じ取れる」と高橋憲コーチは大きな信頼を置いている。
(※注1)16年10月26日の日本シリーズ第4戦、9回2死満塁で宮西が広島・丸をフルカウントから外角に逃げるスライダーで空振り三振に仕留め、3-1で勝利した。
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