驚異の23試合連続無失点、快進撃を支える決め球スプリットの“秘密“
ダイヤモンドバックスの平野佳寿投手が圧巻の活躍を続けている。27日(日本時間28日)の敵地マーリンズ戦では7回の1イニングを3者凡退に抑え、球団タイ記録となる24試合連続無失点を達成。18ホールド目を挙げて2-1での勝利に貢献した。
上原浩治(現巨人)がレッドソックス時代の2013年にマークした日本人記録の27試合連続無失点にも「4」とし、防御率は驚異の1.25。米国でも徐々に注目度が高まっている右腕が、直球の制球力とともに高く評価されているのが、落差のあるスプリットだ。本人は米データサイトの取材に対して、宝刀の“ルーツ”を明かしている。
平野のスプリットについて特集を組んだのは、米データサイト「ファングラフス」。その中で、通訳を介して取材に答えている右腕は「スプリットを投げ始めたのは日本でプロになってからです」と明かしている。大学時代にはスプリットを投げなくても打者をアウトにできたため、直球とスライダーがあれば抑えることができたというが、オリックス入団後に「落ちる球種の必要性」を感じたという。
本人が“お手本”として名前を挙げているのが、「大魔神」こと佐々木主浩氏。大洋・横浜で絶対的な守護神として君臨し、2000年からはマリナーズでも4シーズン活躍。メジャーでも1年目から3年連続53セーブ以上を挙げるなど、結果を残した。平野は「フォークを投げる投手として有名でした」と話し、佐々木氏の本でフォークの投げ方を勉強したと振り返っている。
スプリットで肘を痛めることはない!?
「誰にも教わっていないんです。投げ始めてみて、どのように(佐々木氏が)握っているのかを本で確認しました。自分が投げやすい握り方を見つけました」
まずは本で勉強し、その後、自分に合った握りを身につけていった。メジャーの猛者を手球に取る“宝刀“をほぼ独学で磨いていったと平野は取材に対して説明している。
メジャーでは、スプリットが肘に負担をかける球種だという見方も多いが、平野は記事の中でこれについて否定。スプリットを投げなくても肘を痛める選手がいるとして、「もしかしたら、怪我の原因は力を込めて投げることかもしれません。アメリカでは力を込めて投げる選手が多いです」と推測している。
直球とスプリット。この2球種だけで打者を抑え込む姿に、米メディアからは上原浩治投手との共通点を指摘する声も出始めている。今季から日本球界に復帰した偉大な先輩が、ほぼ“無敵”だった2013年に打ち立てた27試合連続無失点という記録まで、あと「3」。平野が“宝刀“を武器にメジャー1年目で歴史を塗り替えようとしている。
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