5月30日から始まった「日本生命セ・パ交流戦 2023」はパ・リーグ54勝(2分)、セ・リーグ51勝でパ・リーグが4年ぶりに勝ち越し。そして得失点差率での争いとなった交流戦優勝の行方は横浜DeNAの初戴冠で決着した。
約3週間繰り広げられた試合のなかから、パ・リーグ6球団それぞれの好ゲームを動画とともにふりかえりたい。
福岡ソフトバンク(11勝7敗、勝率.611)
福岡ソフトバンクは惜しくも9度目の交流戦優勝とはならなかったが、和田毅投手が今季もセ・リーグからメモリアルな1勝を挙げている。
6月9日の巨人戦に先発した和田投手は、初回の先頭打者からいきなり2連打されたが、3番・秋広優人選手を併殺打、4番・岡本和真選手を空振り三振に仕留めるしびれる立ち上がり。6回途中まで投げ、被安打4、奪三振6、岡本選手の一発のみに抑える好投で交流戦通算27勝目を挙げた。
なお、この日の翌日に東京ヤクルト・石川雅規投手が同最多となる28勝目をマーク。来季もベテラン投手たちが交流戦で記録更新の快投を見せてくれるか、楽しみにしたい。
オリックス(11勝7敗、勝率.611)
オリックスは山本由伸投手が負けなしの3戦3勝、24イニングで25奪三振、失点はわずか1と交流戦MVP級の投球でチームをけん引。
「オリ姫デー」で盛況だった6月6日の巨人戦は、山本投手が8回4安打1失点の快投を披露すると、2番手・山崎颯一郎投手が3奪三振含む無失点で今季初セーブ。両投手の力投で詰めかけた「オリ姫」に白星を届けた。
北海道日本ハム(10勝8敗、勝率.556)
交流戦の醍醐味の一つは古巣との対戦。北海道日本ハム・江越大賀選手は昨年まで8年在籍した阪神に対し、躍動した。
「1番・中堅手」でスタメン出場した6月9日、まずは初回の守備。2死1塁の場面で大山悠輔選手のセンター前安打で1塁走者は二塁を回る。それを見た江越選手はワンバウンドで三塁へ送球。的確な返球でチームのピンチを救って見せる。
4回裏には弾丸ライナーでライトスタンドにソロホームラン。江越選手らしいダイナミックなプレーで「恩返し」した。
東北楽天(9勝9敗、勝率.500)
パーソル パ・リーグ開幕から苦戦が続いていた東北楽天は、交流戦を勝率5割で終えた。特に6月8日阪神戦はチームの勢いを加速させる試合だったのではないだろうか。
初回から浅村栄斗選手の適時打で先制したが、8回表に失策が絡んで一気に逆転されてしまう。1点ビハインドで迎えた9回裏、連続四球で塁をにぎわすと、2死から小深田大翔選手が虎の守護神・湯浅京己投手からライトへサヨナラ3ランを運んだ。
小深田選手を中心に歓喜の輪が広がる一方で、8回に守備でミスをしてしまった小郷裕哉選手は人目をはばからず涙。勝利への執念を感じさせる一戦だった。
千葉ロッテ(7勝9敗2分、勝率.438)
千葉ロッテの好ゲームは投打の役者が躍動した6月11日広島戦。3回裏、連打などで1死満塁のチャンスをつくると、4番・山口航輝選手の満塁ホームランで鮮やかに先制する。
援護をもらった佐々木朗希投手は4回までパーフェクト。5回裏には広島打線につかまったが、NPB日本人最速タイ165km/hを記録。7回109球を投げ、5安打10奪三振2失点と気迫の投球で勝利をもぎとった。
埼玉西武(6勝12敗、勝率.333)
埼玉西武にとっては苦しい試合が続いた交流戦。6月7日の中日戦は先発の本田圭佑投手から始まり、森脇亮介投手、青山美夏人投手、平井克典投手、佐藤隼輔投手が無失点でバトンをつなぐ。
すると0対0の7回裏、源田壮亮選手の適時打で待望の先制点が入るも、9回表に抑えの増田達至投手が犠飛を打たれて同点に追い付かれてしまった。しかしその裏、1死から長谷川信哉選手が重苦しい空気を吹き飛ばすスイングでサヨナラホームランを放つ大仕事。
7連敗を止めた18日の広島戦も長谷川選手、渡部健人選手に一発が出た。再開するリーグ戦で若獅子たちの反撃に期待したい。
文・菊地綾子
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