昨季に吉田が残した成績は119試合、打率.335、21本、88打点
今季開幕から約1か月が経った。昨季、悲願の日本一に輝いたオリックスは、主砲の吉田正尚外野手がレッドソックスにポスティングシステムを利用してメジャー移籍。海の向こうで奮闘するヒットマンの「穴」を懸命に埋めている選手がいる。開幕直前に育成から支配下選手登録された茶野篤政外野手だ。
茶野は2022年育成ドラフト4位で四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスからオリックスに入団。持ち味の俊足巧打を中嶋聡監督から“発掘”され、今季の開幕直前に支配下選手登録を勝ち取ると、開幕スタメンの座までゲットした「新顔」だ。
今季はここまで開幕から全19試合に出場し、打率.277、0本、2打点の成績を残すなど、外野の一角を埋めている。昨季まで左翼は主に吉田が守ったが、今季は“ラオウ”こと杉本裕太郎外野手が左翼に入る試合が目立つ。昨季まで杉本が守っていた右翼に茶野が入るパターンが多く、吉田とはタイプこそ違うものの、外野陣のキーマンと表現しても過言ではない。
吉田の「穴」は茶野が埋めた形だが、得点力は周囲のバッターで埋めるしかない。吉田から選手会長を引き継いだ杉本は、今季すでにリーグトップの6号を記録。15打点もリーグトップタイの成績で、奮闘を続けている。吉田と“入れ替わる”形で加入した森友哉捕手の存在も大きい。昨オフに埼玉西武からFA移籍でオリックスへ。今季は全19試合に出場してチームトップの打率.284、2本、7打点の成績を残している。捕手として出場しない際はDHでオーダーに入り、チームを牽引。地元・大阪でファンから温かい拍手を受ける様子も定着してきた。
昨季、吉田がオリックスで残した成績は119試合の出場で打率.335、21本、88打点。出塁率.447を記録するなど、そう簡単に埋められる数字ではない。それでも、2年連続の日本一を成し遂げるべく、チーム一丸となってペナントレースを戦うナイン。リーグトップのチーム打率.252は「吉田の穴」を埋める、意識の賜物だろう。
(Full-Count編集部)
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