現代野球において、チームの大切な白星を守るクローザーを固定できているかどうかがチームの強さに直結する。彼らは“守護神”と呼ばれ、プレッシャーかかる僅差も疲れの出る連投もなんのその、チームの大切な白星を守りきるために腕を振る姿に、ファンは魅了される。大魔神と呼ばれた佐々木主浩氏、キング・オブ・クローザーと慕われたデニス・サファテ氏と、異名がつくことが多いのもこのポジションである。

　チームでたったひとりのその席を勝ち取るための熾烈な争いは、オープン戦からすでに始まっているが、何よりも定着が難しいポジションなだけに、誰ひとりとして“守護神”の座を確約されていないのが現状だろう。

　今回は、おうちの守護神・火災報知器メーカーの「ホーチキ株式会社」とパーソル パ・リーグTVのコラボレーション動画から、チームにとっての絶対的守護神、あるいは守護神候補として今季活躍が期待される投手を紹介していく。

強力打線を連続三振！ 再び守護神の座へ。

　まず、北海道日本ハムの守護神候補は石川直也投手。
　2022年6月25日の試合では、得点圏に走者がいる状況で登板すると、強力福岡ソフトバンク打線の主軸・デスパイネ選手と柳田悠岐選手を連続三振に抑えてチームを救ったシーンが印象的だ。2020年にトミージョン手術を受けた影響により一軍のマウンドが遠ざかっていたが、2022年6月に復帰すると、36試合に登板した。

　2018、2019年には守護神も務めており、適正は十分だ。すでに2023シーズンの守護神候補にも名が上がっているが、その座をもう一度掴めるか（動画 0:39）

さらなる高みへ。最多セーブ二度の実力者

　2022シーズン、パ・リーグ最多、チーム最多32セーブを挙げた松井裕樹投手。最多セーブのタイトルは2019年以来2度目と、キレのあるストレートと変化球で打者から三振を奪う実力者である。27歳の左腕は、現在197セーブと、プロ野球史上最年少での200セーブ達成も目前に迫っている。2023シーズンはWBCにも出場し長い1年となるが、守護神の定位置を守り抜き、さらなる記録に期待したい（動画 1:22）。

チームを支える埼玉西武リリーフ陣の柱

　埼玉西武の守護神として、昨季はチーム最多、リーグ2位となる31セーブをあげた増田達至投手。昨季は2022年5月に通算150セーブ、2022年8月には通算100ホールドの記録も達成した。勢いある投手陣を支える確かな経験と実力。若手にとっては精神的支柱でもあるだろう。平良海馬投手が先発転向のため、リリーフ陣の再編・奮起が促される2023シーズンだが、10年目のベテラン右腕が埼玉西武のブルペン陣を引っ張っていく（動画2:30 ）。

圧巻の3者連続三振！ 僅差の試合もこの男が守り切る

　2022年7月18日、1点リードでマウンドに上がった千葉ロッテの守護神・益田直也投手。無死から走者を出すも、以降は落ち着いて福岡ソフトバンク打線を3者連続三振。圧巻の投球で試合を締めくくった。

　2022シーズンはチーム最多となる25セーブ。前年2021シーズンも、38セーブでタイトルを獲得するなど、チームに欠かせない存在ではあるが、今季からチームに復帰し、この動画でも紹介されている澤村拓一投手や新外国人のルイス・ペルドモ投手などライバルは多い。今季もその鉄腕ぶりを発揮し、チームを支えていきたい（動画 3:55）。

昨季は中継ぎとして実力を発揮。ポテンシャル十分なオリックスの右腕

　2年連続リーグ優勝、昨季は日本一となったオリックスの未来の守護神候補は、山崎颯一郎投手。昨季はシーズン途中から中継ぎとして一軍のマウンドに上がると、長身から投げ下ろす力強い速球で空振りを奪い、オリックスの強力ブルペンの一員としてチームに貢献した。

　昨年のチーム最多セーブは平野佳寿投手で、今季も守護神一番手となる見通しは高いが、侍ジャパンにも追加招集されるなど、そのポテンシャルはピカイチ。1年を通して活躍を見せ、3年連続リーグ優勝に導きたい（動画 6:22）。

オープン戦から活躍の兆しを見せる鷹の新守護神！

　モイネロ投手、オスナ投手のリレーは相手チームからするとまさに“絶望”か。未来の守護神候補に挙げられた福岡ソフトバンクのオスナ投手がこの動画を締めくくる。2023シーズンに千葉ロッテから福岡ソフトバンクに加入した助っ人だが、153km/hの剛速球で打者をねじ伏せる様は、オープン戦からすでに守護神として活躍の兆しを見せている。福岡ソフトバンクの新守護神として、徐々にチームにも慣れ、開幕に向けてさらに状態を上げていきそうだ（動画 7:50）。

　ここで紹介した他にも守護神候補が多数紹介されている『“未来の守護神候補”まとめ』動画。チーム内での争いを制し今年のセーブ王に輝くのは、新星かそれとも実績重ねた投手か。秋の答え合わせが至極楽しみである。


文・鈴木優菜