杉本裕太郎と紅林弘太郎のホームランをキャッチ! トレーニングパートナーの「パラレルキャリア」を体験!

パ・リーグ インサイト

2023.3.18(土) 19:00

杉本裕太郎選手(左)と紅林弘太郎選手(右)(C)PLM
杉本裕太郎選手(左)と紅林弘太郎選手(右)(C)PLM

選手の打球をキャッチ!「パラレルキャリア」に挑戦

 みなさんは「パラレルキャリア」をご存知だろうか。「パラレルキャリア」はキャリアの開拓を主な目的として、複数の仕事(ボランティアや趣味も含む)をすること。副業を許可する企業も増える中、新たなキャリア形成の手法として注目されている。

 今回は春季キャンプ特別企画として、2023年パ・リーグ公式戦タイトルパートナーのパーソルが、パ・リーグ6球団のキャンプ地で「選手のトレーニングパートナー」を募集。各球団2人ずつ、選手たちのホームラン性の当たりをキャッチするという仕事で「パラレルキャリア」を体験した。

 2月15日、オリックスのキャンプ地である宮崎県・清武総合運動公園にやってきたのは、又川晴斗さんと清水義一さんだ。

 又川さんは、スポーツトレーナーを目指す学生。プライベートで観戦した際、杉本裕太郎選手のパフォーマンスで球場が一体になった光景に感動したと目を輝かせ、将来は「オリックスのトレーナーになってみたい」と夢を語る。また、紅林弘太郎選手は同い年だそうで、「全球捕れるように頑張りたい」と意気込んだ。

 歯科医院の院長として働く清水さんは、ファン歴30年以上で応援団にも所属していたことがあるという大のオリックスファンだ。仕事柄、忙しい日々を送っていたが、50代を手前にして知り合いの先生たちが倒れてしまったりと、これが考え直すきっかけに。「やりたいことは今やっておかないと」と笑顔で語る。

「結構難しいでしょ?」 HR王の打球にチャレンジ!

 練習見学でブルペンに行き、間近で見る投球の迫力に圧倒された2人。清水さんは「とんでもないところに足を踏み入れようとしているのでは……」と苦笑いを浮かべる。ウォーミングアップを終え、いよいよ本番がやってきた。

 まず現れたのは2021年のホームラン王・杉本選手。そんなバッターのホームランキャッチをできるだけでもファンにとってはたまらない機会だが、2人のモチベーションをさらに上げる言葉が飛び出した。

「順番に打って、多く捕った方にこの手袋(バッティンググローブ)をあげます!」

杉本裕太郎選手(C)PLM
杉本裕太郎選手(C)PLM

 ともに野球経験はあるものの、硬式野球の経験はないと不安そうだった又川さんと清水さん。この日は追い風だったのもあり、プロの打球の伸びに最初は苦戦した。しかし、徐々に慣れてきたか、キャッチの成功率もアップ。

 杉本選手も「いけるよー!」「ナイスキャッチ!」と2人に声をかけながら、打球を外野に運んでいく。清水さんがグラブに収めたかと思った打球を落球すると、「ピッチャー泣くよ!」と発破をかけた。そんな杉本選手に応えるように、又川さんも腕を伸ばしてキャッチ。

又川晴斗さん(C)PLM
又川晴斗さん(C)PLM

 勝負の結果は又川さんの勝利となり、杉本選手からバッティンググローブが贈られた。さらに頑張った2人へ、サインのプレゼント。サインを書きながら杉本選手はつぶやく。「結構難しいでしょ。エラーしてもあんま言わんとってくださいよ」。2人も外野フライの難しさを実感しただろう。

杉本選手と記念撮影(C)PLM
杉本選手と記念撮影(C)PLM

紅林選手は柵越え連発!?

 続いては、杉本選手とのチャレンジの横で特守に取り組んでいた紅林選手が登場した。

紅林弘太郎選手(C)PLM
紅林弘太郎選手(C)PLM

 いざチャレンジスタートと思いきや、紅林選手の打球は風に乗り、柵越え連発で「すいません……」。それでも2人は全力で打球を追い、キャッチを成功させた。

 紅林選手のラストボールは、清水さんがしっかりと合わせてキャッチ。実は、今回使ったグラブは小学6年生のころに使用していたものだという。少年に戻ったような、生き生きとした表情で駆ける姿が印象的だった。

清水義一さん(C)PLM
清水義一さん(C)PLM

 チャレンジのご褒美として、紅林選手からもサインをプレゼント。「今年はホームラン王を狙ってください!」と清水さんが感謝の言葉とともに伝えると、紅林選手は照れくさそうにうなずいた。

紅林選手と記念撮影(C)PLM
紅林選手と記念撮影(C)PLM

チャレンジ終了! 仕事の出来栄えは?

 トレーニングパートナーとして働いた2人へ、紅林選手は「優勝して、またパワーを送れたらいいなと思います。頑張ってください」とエール。杉本選手も「別々の道ですけど、みんなで頑張っていきましょう」と言葉を送った。

 今日の仕事の出来栄えを聞くと、又川さんは「90点くらい」。残りの10点については「紅林選手の打球はすべて捕ることができましたが、杉本選手の打球は最初ということもあってなかなか捕れなかったです」と振り返った。

 清水さんは「30点ですね。年には勝てないのか、足がもつれ気味になって……」と悔やしげ。一方で「全力で臨めました。打ってくださる選手に、失礼のないように頑張れたかなと思います」と自身の挑戦を評価した。

 パ・リーグ6球団にわたり行われた今回の「パラレルキャリア」体験企画は、これですべて終了。普段の生活とは離れた、憧れの選手との特別な体験は、間違いなくそれぞれの参加者の今後に生きることだろう。

取材・文 丹羽海凪

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