コーチも感嘆「今はレベルが上がっている」 最強侍ジャパンでも図抜けた“4人の主砲”

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2023.2.20(月) 07:35

侍ジャパン・牧秀悟、村上宗隆、山川穂高、岡本和真(左から)※写真提供:Full-Count(写真:小林靖)
侍ジャパン・牧秀悟、村上宗隆、山川穂高、岡本和真(左から)※写真提供:Full-Count(写真:小林靖)

村上、山川、岡本、牧のフリー打撃にファンは沸いた「レベルが上がっている」

 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に臨む侍ジャパンの宮崎キャンプは、19日までに3日間の第1クールを終えた。とりわけ、メーン球場のひなたサンマリンスタジアム宮崎のスタンドに足を運んだファンを魅了したのは、東京ヤクルト・村上宗隆内野手、埼玉西武・山川穂高内野手、巨人・岡本和真内野手、横浜DeNA・牧秀悟内野手の“4番4人”によるフリー打撃競演だった。侍打線を束ねる吉村禎章打撃コーチが、その舞台裏を明かす。

 野球の華はホームランだ。この3日間、フリー打撃では村上、山川、岡本、牧の4人がひとつの班を形成し、2台の打撃ケージに交互に入り打ち込んだ。今キャンプではコロナ禍が残る中、混乱を避けるため、観覧希望者には事前に入場整理券を配布し、観客を1日約1万8000人(球場収容人数は3万人)に抑えている。それでも打球が外野席に着弾するたびに、スタンドから大きなどよめきと拍手が沸き起こった。特に、昨年史上最年少3冠王に輝いた村上と、パ・リーグ2冠(本塁打&打点)の山川の“打ち合い”は、迫力満点でファンにはたまらない。

 栗山英樹監督は「吉村打撃コーチがファンの人たちの思いを含め、選手同士の刺激も含め、昨年11月の段階からどういう順番で打たせるかを考えて、うまくやってくれていると思います」と明かす。

 当の吉村コーチに聞くと、各チームの4番を1つの班に集めた理由の1つは「制限もある中で、これだけ大勢のお客さんが来てくれて、特に子どもさんが多いので、そういう選手を同時に見たいだろうと思った」とのこと。前提として「栗山監督は野球人気を盛り上げようとか、ファンの人たちを何より大事にしようという思いが強い」という認識がある。

吉村打撃コーチ「今の日本選手はレベルが上がっている」

 もう1つは「選手たちから、長距離打者は長距離打者同士でコミュニケーションを取った方が刺激になると聞いたから」だと言う。「実際にフリー打撃中も、合間に練習方法や打撃で心がけていることについて話し合っているようです」と証言する。長距離打者は長距離打者同士、俊足・巧打タイプは俊足・巧打タイプ同士で話す機会を増やした方が、得るものが大きいのではないかというわけだ。

 もちろん、フリー打撃だけでは練習は終わらない。吉村コーチは「栗山監督からは、全体練習はオーバーワークにならないように短めに、あとは個人練習でと言われている。選手本人が納得できるように、個人練習のスケジュールを組んであげたいと思っている」と話す。実際には連日、ほとんどの野手が全体練習終了後もメーン球場や室内練習場で、個人的な打撃練習に取り組んでいる。吉村コーチが「みんな、打ち出すと止まらない。(打撃が)好きですよ」と驚きあきれるほどだ。

「私は現役、コーチ時代を通じてジャイアンツのユニホーム以外は着たことがありませんでしたが、こうして他球団の選手と身近に接してみて感心しています。みんな、さすがですよ」と吉村コーチ。「私の現役時代に比べて今の日本の選手は、打球にしても、スイングスピードにしても、レベルが上がっていると思います。特にあの4人(村上、山川、岡本、牧)は凄いなと思います」と感嘆する。

 現状でも迫力十分の打線であるが、本番までにはこれに、エンゼルス・大谷翔平投手、カブス・鈴木誠也外野手、レッドソックス・吉田正尚外野手、カージナルスのラーズ・ヌートバー外野手が加わる。日本代表史上最強打線の評判に偽りなしだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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