「日本一しか目指さない」北海道日本ハムキャンプに見える“変化” 新庄剛志監督の勝算とは?

Full-Count

2023.2.1(水) 07:35

北海道日本ハム・新庄剛志監督※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)
北海道日本ハム・新庄剛志監督※写真提供:Full-Count(写真:荒川祐史)

今日から沖縄県名護市でキャンプイン…昨年との違いは?

 プロ野球の各球団が1日、春季キャンプをスタートさせる。今季から北海道北広島市に建設した新球場「エスコンフィールド北海道」を本拠地とする北海道日本ハムは、昨季のパ・リーグ最下位から浮上することができるのか。新庄監督が就任して2年目、キャンプのメンバーや日程からも、覚悟の“変化”がうかがえる。

 北海道日本ハムは昨秋のドラフトで指名した支配下6選手のうち、5選手を1軍に帯同させる。これは12球団の中で、楽天と並ぶ多さだ。

 1位指名の矢澤宏太投手(日体大)は、投打二刀流でのプレーに注目が集まる。2位の金村尚真投手(富士大)はゲームメーク能力にすぐれた右腕。キャンプイン前日に骨折が発覚した加藤豪将内野手(メッツ傘下3A)は、メジャーでの実績から当然、内野の即戦力候補だ。5位の奈良間大己内野手(立正大)は走攻守揃った遊撃手。6位の宮内春輝投手(日本製紙石巻)は右サイドからの剛球で、リリーフとして期待される。

 これだけの新人を1軍キャンプに呼び寄せたのは、現有戦力だけではまだ、浮上するには足りないと見ているからだろう。新庄監督は昨季を「1年間をかけてのトライアウト」に位置付けると公言していた。

 2021年までの主力だった西川遥輝や大田泰示を放出して空けたポジションに、若手を据えた。勝てないのも覚悟の上で、世代交代を図った。故障者をのぞく全選手に1軍出場の機会を与えるという破天荒な起用もしてみせた。それでも、指揮官を納得させるメンバーは揃わなかった。新人たちが先輩を追い抜く可能性も、十分にあると見ているのだろう。

初日から紅白戦…実戦13試合、選手をシビアに結果で判断

 新庄監督は昨季の本拠地最終戦で今季へ向け「日本一しか目指しません」と、就任時とは180度異なる言葉をファンへ贈った。選手に何度もチャンスを与えることも、もうしない。メンバーを固定しての戦いを理想とし、キャンプ中盤までには構成を固めたいという。昨年はタレントの武井壮氏や、元阪神の赤星憲広氏を臨時コーチに招き、話題をさらったが、今年はその過程はもう過ぎたと判断しているのだろう。

 選手に求めるのは結果だけだ。そのため、異例のキャンプ初日から紅白戦を組んだ。5日までの第1クールだけで紅白戦が2試合。その後も練習試合を多く設定し、1軍の稼働22日中、半分以上の13日が試合となっている。

 昨年のキャンプ前半は、紅白戦といっても実態はシート打撃のようなメニューが多かった。状況を設定し、選手にプレーの方法を教え込むような日々が続いた。今年は最初からの勝負で、自らの居場所を勝ち取ることを求めている。鬼のような練習を課すわけではないが、選手にはシビアな日々が待つ。

 初日からの紅白戦といえば、落合博満監督が就任した初年度、2004年の中日が思い出される。結果がどうだったかと言えば、目立った戦力補強もないチームながらリーグ優勝を果たした。そして北海道日本ハムがキャンプに5人もの新人を帯同するのは、トレイ・ヒルマン監督がチームを率い、前年5位から日本一となった2006年以来だ。この年、八木智哉投手や武田勝投手、川島慶三内野手といったルーキーがシーズンでも1軍帯同し、北海道移籍後初の快挙を支えている。

 一見、偏ったように見えるキャンプのプランも、“故事”を見れば成功例が並ぶ。北海道日本ハムの快進撃はあるのか。キャンプから目が離せない。

(Full-Count編集部)

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